君桜




「ハァ」


「学さん?」


「葉奈、優の店行くぞ」


優さんの店?


電話を切った学さんは、煙草に火をつけてあたしの腕を引っ張り立たせた。


「…お前、やっぱり熱いぞ?」


「?」


そりゃあ、学さんがこんなことしたり不意打ちに笑顔見せたりするからでしょ!


てか、学さん。


何でそんな考え込んだ顔してんの。


「優さんの店、行くんでしょ?」


固まってたら時間無くなっちゃうよ。


さっさと行って帰ってきましょう!


「ああ、そうだな」


「じゃあ、準備します」


そう言って自分の部屋に入っていこうとした時…、


「葉奈」


学さんに呼び止められた。


「はい?」


なんですか?と続ける。


「大丈夫か?」


へ?


「な、何がですか…?」


「イヤ、…葉奈、具合が悪くなったら言え」


え?どうしたんですか?


「…あ、はい」


一応返事をしといた。





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