幻想童子
「あんたのこと気になってるのかもね」

「なんでそうなるんだよ?」

「あの子自分から人と関わろうとしないのよ」

確かに大人しい雰囲気はあるが初めてあった時のことを考えるとあまり想像できない。

「ましてや手帳を渡すなんて、考えられない」

「そうなのか?」

「あの子普段は絶対に手帳を他人に見せたりしないのよ。この前見ようとしたら全力でいやがられた。」

「でもあんな才能隠すなんて勿体無いだろ。将来間違いなく作家だな」

「あの子現役の作家よ」
「は?」

「いやなんかの冗談だろ?」

「さぁね」

「なんだよその意味あり気な言い方!!」

「別にそのままの意味よ」

「じゃあマジで作家なのか?」

「さぁね」

「どっちだよ!?」

「どうでもいいけど、あんたいつまで居座る気なの?」

「うぉ、やべぇもう時間も3時近いな」

深夜3時近くを回っており、さすがに長居はできないと考え帰宅することになった。

「気をつけて帰りなよ」
「おう、あとあの子に手帳の件ありがとうと伝えといてくれ」

「わかったわかった」

「頼むぞ」

そう言って後にしようとした時

「ねぇ?」

「あぃ?」

「あんたは今のままでいいの?」

「はい??」

「今の生活のままで満足してるの?」

そう聞かれたが俺は何も言わずに立ち去ることにした。
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