幻想童子

幼すぎる少女と人々

「やっと出来たああ…」


「なんとか間に合いそうだな」


なんとか原稿を完成させた俺たちは缶ビールで乾杯し
グダグダ愚痴をこぼしながら家路についた



帰り道に
ノリさんと別れたあと、コンビニに立ち寄ると

不思議な少女に出会った

なんというか
年は12、3くらいで
ゴスロリ風のひらひらした服装に

長くて透き通った銀髪に

異常なほどに真っ白な肌
顔立ちは整っており、紅い大きな目で俺の方を見ていた


こんな綺麗な子供がこの世にいるとは思えない

そう思ってしまうほど
月の光に照らされた少女は美しかった



「……」

(……まじかよ…こんな綺麗な女の子漫画の中だけかと思ってたけど、現実にいるんだな…)

少女はこちらを見ているだけで何も反応はない。

警戒してるわけでもなく
ただ興味を持ったようなそんな目でただ見ているだけだった。


「あのう…。女の子が一人でこんな夜に歩いてると危ないよ」

あまりにも気まずい空気だったのでそう切り出してみた。


「ごめんなさい。道にまよってしまって…」
俺を見上げながら少女は答えた



「どこに住んでるの?」


「××町の114番地」


「うぅ〜ん聞いたことないなぁ」
この辺に住んで十年近いのだが本当に聞いたことのない場所だった。


「とりあえずコンビニの前だし、店員さんに聞いてみようか」


「うん…」


店に入るなり奇異の目でこちらを見られたが、気にせず道を聞いた。
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