悪魔の2人に愛の花を。



「あのね!!あんたはなんでそんな危機を感じないの!!いじめまで発展したら話にならないからね!?」



は??

いじめ??


笑えるんですけど。



あたしは菜美にギロリと睨む。

別に菜美に怒っている訳ではない。



それは菜美も了承済み。


これはあたしがキレる瞬間だと菜美が言っていた。


「マジで意味わかんない。なんであたしが虐められるわけ?だいたい…妬むアイツ等が悪いじゃん。」


本当に馬鹿馬鹿しい。

なんでそんなくだらない事で虐められるわけ??



あたしは冷静を装って周りには聞こえないように菜美に言った。


「あたしの心配はいいから。菜美、あんたが自分守りなよ。ただでさえあたしといて目付けられてるんだから」


何故だか分からないけれど、菜美はあたしと一緒にいる。


自分でも性格がひねくれていると思っていても、菜美はそんなあたしと付き合っている。


なんでだろ……



「あんたに言われたくないよ。命知らずのくせしてさ。よく言うよ。放っておくと、あんたはいつ死ぬかわからないでしょ。」



と意地悪く、優しく笑う菜美。



多分、これかもね。


菜美はどんなに性格が悪くても、普通に受け止めて綺麗にまとめる事が出来るんだ。



菜美が一緒にいたいと感じるんじゃなくて、あたしが菜美を好きなんだ。



ちょっとコイツだけには降参だわ…。


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