BLACK
「何考えてんのよ!」
「え!…妄想…」
愛子の指がポキポキ鳴る。
「まじだって!愛子と結婚したら面白い家になるだろなって」
先程もらったチョコレートが口の中で甘く溶ける。
「当たり前でしょ!」
愛子は注文したホワイトチョコストロベリーを、もう食べ終えていた。
「そう思うなら、早くお嫁にもらってよね!探偵さん!」
「あはは…もうちょっとお待ち下さいね」
給料が安いもんで。
申し訳ないね。
「もうあたしも26歳よ。今日はババアって言われたんだからね!」
「そりゃ酷い」
直球すぎて。
「あ~なんだか思い出したら腹立ってきた!」
やっぱり今日は事務所で寝よう。
「明日はもっと苛めてやる!」
愛子は魔女のように、何かを妄想しながら笑っている。
女って、やっぱ怖い。