BLACK
目の前に緑の物体が舞って来た。


反射的に手を出した。


手を弾いてカウンターに落ちたのは、小さな『緑の箱』


「何よ、これ」


謎の箱の正体を問う。


「お袋が来たら渡しといて」


可愛げの無い返事。


つい腹が立って、眉間にしわを寄せて言った。


「自分で渡せば?」


困った表情の俊。


少し意地悪かしら。


ちょっと反省。


すると俊が一言。


「は、恥ずかしいから頼むよ…」


そっぽ向いた俊の頬は少し赤い。

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