闇氷花



そう言うと悲しそうな顔をしたけど
気づかないふりをした。

だって…好きな人のそんな顔見たく
ないから…ッ。


「そろそろ戻るか。」

颯のその声で気づけばあたりはもう
夕日が沈み真っ暗になっていた。

「そうだ…ゲホッゲホッゲホッ…!」

いきなりの咳に思わず屈むと
すぐに颯が近づいてきた。

「おい!琉架ッッ大丈夫かッ!?」





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