luv and joker
------隆side

「何で分かってくれないの!!」

彼女の声が部屋に響き渡る。

今日はクリスマス、勿論俺も彼女の皐月と過ごすつもりで彼女の家を訪れた。

でも、俺は見つけてしまったんだ。

彼女が他の男と2人で撮ったプリクラを・・まだ切り取られていないプリクラの隅には日付が書いてあり、最近だということも分かった。

彼女に控えめに問いただすと、それは高校の頃の友達だという。

だけど、いくらなんでも無防備過ぎる。

黙った俺を不思議に思ってか、彼女は俺の顔を覗き込む。

この可愛い表情でこの男のことも見たのか?

その可愛い顔の下にはどんな悪魔が隠れている?

俺の知らない部分をソイツに見せたのか?

いろいろな疑問がわきあがってきて声を上げた。

「他の男とよく遊びにいけるよな!ソイツがお前の事を友達としてみているか分からないのに!」

「彼のことなんで悪く言うの!!ただの友達って言ってるじゃない!!」

なんでその男を庇う?なんで彼氏の俺の心配する気持ちを分かってくれない?

「もういいよ・・今日は帰る」

俺は廊下を玄関に向けて歩き出す。

「何で分かってくれないの!!」

彼女がリビングでそう叫んでいるけど俺の耳には少しも入ってこない。

扉を勢い良く閉めると真っ白な雪のちらつく道を家に向かった。

今はタクシーを止める気にもなれない。

歩いている途中にさっきとは逆の疑問が俺の中にわいてくる。

「本当に友達だったらどうする?」「これを気に分かれなきゃならなくなったらどうする?」




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