luv and joker
「それより、あなた急いでたんじゃないの?」
「あぁ。彼女と喧嘩しちゃって、今日は彼女の家にいたから帰るって言って飛び出してきちゃたんです。それで仲直りしようかとおもって、珈琲でも買っていこうと思ったんですけどもういいんです。って俺なに自分のことベラベラ話しちゃってるんですかねww」
「あなた変ね。」
「そうですか?」
「うん。凄く変。変わってる」
「じゃあこれから実家にでも戻るんですか?」
「両親はもういないわ。というより、生まれてからすぐにおばさんの家に預けられたから、両親の顔は写真でしか見たことがないけどね、おばさんも私のこと嫌いらしくって、ハハッ。笑っちゃうよね。」
「・・・すみません」
「別に謝る事じゃないよ。もう慣れっこだし」
「じゃあ帰るところないんですか?」
「まぁね。ぶらぶら探そうと思ってたところ」
「そうですか、、ぁ。これ飲みます?ちょっと冷めちゃったけど・・」
「彼女さんへでしょ、悪いわ」
「もう今日はあいつのところへは行かないからいいんです。はいっ!だから飲んで!」
「やっぱりあなた変わってる。じゃぁありがとう」
そういうと私は男がこちらに向けている手の中から珈琲の缶を受け取ってパコっと小さく開けた。
「ん、ぬるい、、」
思わず出てしまった声に男が反応する。
「すみません!やっぱりそうでしたよね」
と必死に謝ってくる。悪いのはどう考えても私でしょ
「でもまぁ、たまにはぬるいのも悪くないか」
ともう一度ポツリと呟くと、こんどは急に優しく微笑む男。
表情が良く変わる人・・かれの第一印象はそんな感じだった。