櫻井くん。



バカだ。


バカすぎる。



あいている方の手で頬を濡らして顔の熱を冷ます。



「なにやってんだ私…。」



垂直に勢いよく流れる水に割りばしをあてると、冷たい水がピシャピシャ跳ねた。



まさか、先の方を手で触って洗うなんてことはできないし。



水の勢いで汚れを落とそうという、私らしい低レベルな考え。


「…よし。」



蛇口をしめ、割りばしについた水滴を払うように軽く振った。




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