櫻井くん。




櫻井くん…思ったより暗い人じゃなかった。



授業中の希望を失ったような目は、一体なにが原因なんだろう…?



「…なんて、考えてる場合じゃないよね。」



胸ポケットからくしを取り出して前髪をとかし、教室に戻った。



「櫻井くん、はい。これ」


「ほんとに行ってきてくれたんだ。」


割りばしを受け取って、櫻井くんは面白そうな顔をした。



初めて見る表情だな…




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