櫻井くん。



「ファイト!」



……他人事だと思って。



拳を作る奈々を横目に、私はゆっくり足を進めた。



どんな反応をされるだろう。


下手したら気まずくなるかもしれない。



それ以前に、なんて言って渡せばいいんだ…?



…あぁもう!


全っ然分からない。



こうしているうちにも櫻井くんとの距離は縮んでいて、とうとうたどり着いてしまった。




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