櫻井くん。
見えない真実








誰かの腕の中にいる。


体がフワフワして、宙に浮いてるみたい。


目を開けようとしても、瞼が開いてくれない。



“あなたは誰?”


訊ねたくても、喉から声が出ない。




『大丈夫か?』




私の頭上で誰かの声が響いた。


すごく安心する、優しい声が―――――






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