櫻井くん。




「行くぞ。」


「っえ?」


「学校。遅刻するよ。」


あ…

そうだった。

すっかり忘れてた。


櫻井くんの歩幅に合わせて、私も横に並ぶ。



「…ねぇ、櫻井くん。質問してもいい?」


一歩一歩の足取りが重い。


「多分答えないけど、いいよ。」


櫻井くんの横顔は、ずっと遠くを見つめている。




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