冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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ま、待てー!!!
カイトは、慌てて視線でハルコを追った。
彼女は数歩更に進んで、カイトより低いところに行ってしまったのだ。
「あ、待って!」
それを言葉で言ったのは、メイの方だった。
彼女もさっき、「えっ?」を言った人間だったのである。
どういう意味を含めたかは、彼の知るところではなかったが。
足を止めたハルコは、途中にいる家主と、一番上にいるメイに視線を上げた。
「待って…行かないで…くださ…」
不安そうな声が、ハルコにすがる。
ムッ。
カイトは面白くなかった。
メイが、彼女のことを頼っているように聞こえたからだ。
声が、彼の頭を素通りする。
「また明日来るから大丈夫よ…」
にっこり。
すがられた言葉にも、惑わされる様子は全然なかった。
明日じゃ、おせーんだよ!!
何ということを言うのか、この女は。
カイトは、目ん玉をひんむいた。
いまはもう夜なのだ。夜である。夜だ。とにかく、夜だった。
その夜とやらに、メイと2人きりなのは―― ぜってー、ヤバイ!
ついさっき、自分の中を硬直させた稲妻みたいなものを、カイトは何より恐れていた。
こんなに自分が、アテにならないものだとは思ってもみなかった。
明日の朝、ハルコが来る頃には。
また自分の感覚が、とてつもない状態に変化しているんじゃないかと思うと、ゾッとする。
何で、たかが女1人と夜を越すだけのことで、ここまで怖がらなければならないのか―― 信じられなさすぎる。
「食事の支度はしているわ…どうぞ、お二人で」
次の言葉は、カイトに向けられたものだった。
この事態を前にして、ご飯の話など悠長にできるはずがないのに。
ん?
さっきの言葉が、ひっかかった。
ま、待てー!!!
カイトは、慌てて視線でハルコを追った。
彼女は数歩更に進んで、カイトより低いところに行ってしまったのだ。
「あ、待って!」
それを言葉で言ったのは、メイの方だった。
彼女もさっき、「えっ?」を言った人間だったのである。
どういう意味を含めたかは、彼の知るところではなかったが。
足を止めたハルコは、途中にいる家主と、一番上にいるメイに視線を上げた。
「待って…行かないで…くださ…」
不安そうな声が、ハルコにすがる。
ムッ。
カイトは面白くなかった。
メイが、彼女のことを頼っているように聞こえたからだ。
声が、彼の頭を素通りする。
「また明日来るから大丈夫よ…」
にっこり。
すがられた言葉にも、惑わされる様子は全然なかった。
明日じゃ、おせーんだよ!!
何ということを言うのか、この女は。
カイトは、目ん玉をひんむいた。
いまはもう夜なのだ。夜である。夜だ。とにかく、夜だった。
その夜とやらに、メイと2人きりなのは―― ぜってー、ヤバイ!
ついさっき、自分の中を硬直させた稲妻みたいなものを、カイトは何より恐れていた。
こんなに自分が、アテにならないものだとは思ってもみなかった。
明日の朝、ハルコが来る頃には。
また自分の感覚が、とてつもない状態に変化しているんじゃないかと思うと、ゾッとする。
何で、たかが女1人と夜を越すだけのことで、ここまで怖がらなければならないのか―― 信じられなさすぎる。
「食事の支度はしているわ…どうぞ、お二人で」
次の言葉は、カイトに向けられたものだった。
この事態を前にして、ご飯の話など悠長にできるはずがないのに。
ん?
さっきの言葉が、ひっかかった。