冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
ムッカー。
今度の不機嫌は、一気に頭のてっぺんまで跳ね上がる。
どうにも、うまくあしらわれているような気がしてしょうがなかった。
「メシなんか食うか!」
衝動のまま、カイトは怒鳴っていた。
「あら…」
ハルコは、殊更に困ったような顔になる。
2人の顔を見比べながら。
「けれど、彼女はまだ食事をしていないのよ…お昼も、ほとんど召し上がらなかったのに」
ちゃんと食べさせてあげてね。
いちいち、何かを奥歯に挟めたような言い方をする女である。
それを感じる度に、イライラしていくカイトのことを、本当はちゃんと知っているのではないかと思うくらい。
秘書時代からでも、いつもこういう言い方をしていたのだ。
これでは。
そうしないと、カイトが物凄くひどい人間のように思える。
「あ…あの…ホントにおなかすいてませんから」
とどめは。
階段の一番上のメイだった。
2人の間の空気に気づいてか、慌てて口を挟んでくる。
ムカムカー!!!
地団駄を踏みたかった。
メシくらい、ちゃんと食え!
それとも、カイトの家ではご飯も食べたくないのか。
他に思うところでもあるのか。
勝手な想像が、一気に頭の中を巡り始める。
おかげで、また彼は勝手に怒るのだ。
「来い!」
思わず、メイに向かってそう怒鳴っていた。
びくっと驚く身体。
後ろで、ハルコがどんどん階段を下りていく足音が聞こえたが、もう彼はそんなものには構っていられなかった。
視線を、メイに注いで動かさなかった。
「来いっつってんだろ!」
カイトがもう一回言っても、固まったまま動かないものだから。
彼は、凄い勢いで階段を走り登った。
ムッカー。
今度の不機嫌は、一気に頭のてっぺんまで跳ね上がる。
どうにも、うまくあしらわれているような気がしてしょうがなかった。
「メシなんか食うか!」
衝動のまま、カイトは怒鳴っていた。
「あら…」
ハルコは、殊更に困ったような顔になる。
2人の顔を見比べながら。
「けれど、彼女はまだ食事をしていないのよ…お昼も、ほとんど召し上がらなかったのに」
ちゃんと食べさせてあげてね。
いちいち、何かを奥歯に挟めたような言い方をする女である。
それを感じる度に、イライラしていくカイトのことを、本当はちゃんと知っているのではないかと思うくらい。
秘書時代からでも、いつもこういう言い方をしていたのだ。
これでは。
そうしないと、カイトが物凄くひどい人間のように思える。
「あ…あの…ホントにおなかすいてませんから」
とどめは。
階段の一番上のメイだった。
2人の間の空気に気づいてか、慌てて口を挟んでくる。
ムカムカー!!!
地団駄を踏みたかった。
メシくらい、ちゃんと食え!
それとも、カイトの家ではご飯も食べたくないのか。
他に思うところでもあるのか。
勝手な想像が、一気に頭の中を巡り始める。
おかげで、また彼は勝手に怒るのだ。
「来い!」
思わず、メイに向かってそう怒鳴っていた。
びくっと驚く身体。
後ろで、ハルコがどんどん階段を下りていく足音が聞こえたが、もう彼はそんなものには構っていられなかった。
視線を、メイに注いで動かさなかった。
「来いっつってんだろ!」
カイトがもう一回言っても、固まったまま動かないものだから。
彼は、凄い勢いで階段を走り登った。