冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
「お客様…いかがなさ…!?」
ザッザッザ、ダン!
出入り口のところにある受付に、カイトは大股でやってくると、そのカウンターにガンと片肘をついた。
「おい…オレんトコにいる、あの女は何だ?」
顎で、暗いボックスを指す。
本人がしゃべらないなら、周囲にしゃべらせるだけだ。
あれだけ毛色の違う女だから、周囲からも浮いているに違いなかった。
受付の、ぴっちり派手なスーツを着込んだ女は、横目でカイトが指すボックスを確認すると、にっこりと営業の笑みを浮かべた。
派手な化粧でごまかしてはいるが、結構年齢は高そうだ。
店の中のことには詳しいだろう。
「ご不興を買いましたのなら、すぐに別のホステスに替えさせていただきますが…」
ウェイターと同じことを言った。
「んなんじゃねぇ……何で、あんなのが、ココで、働いてんだ」
カイトは、一単語ずつ区切って、つきつけるように言った。
聞いていることの、どれもこれもが気に入らない。
それがにじみ出ている声だった。
「申し訳ありませんが、スタッフのプライベートまではお答えできかねま……」
くだらない言葉が続きそうな予感は、最初からあったのだ。
カイトは、尻ポケットから札入れを取った。
そのまま、手を突っ込んで一掴み札を抜き出して、彼女の目の前に無言で置いた。
これが、彼のやり方だった。
強引で乱暴な経営。
業界で、彼を形容する言葉がそれだ。
このカイトの性格のせいである。
それでも破綻しないのは、ソフトの質がズバ抜けて高いことと、サポート役がしっかりしているからだった。
女は、焦ることなくそのお金を取って引っ込める。
かなり肝のすわっている。
ランジェリー女とは、格が違うとでも言いたげな表情で。
「お客様……よろしければ、私とあちらのボックスでお話しませんか?」
空いている、別の個人用ボックスを指す。
カイトは、無言で歩き出した。
「お客様…いかがなさ…!?」
ザッザッザ、ダン!
出入り口のところにある受付に、カイトは大股でやってくると、そのカウンターにガンと片肘をついた。
「おい…オレんトコにいる、あの女は何だ?」
顎で、暗いボックスを指す。
本人がしゃべらないなら、周囲にしゃべらせるだけだ。
あれだけ毛色の違う女だから、周囲からも浮いているに違いなかった。
受付の、ぴっちり派手なスーツを着込んだ女は、横目でカイトが指すボックスを確認すると、にっこりと営業の笑みを浮かべた。
派手な化粧でごまかしてはいるが、結構年齢は高そうだ。
店の中のことには詳しいだろう。
「ご不興を買いましたのなら、すぐに別のホステスに替えさせていただきますが…」
ウェイターと同じことを言った。
「んなんじゃねぇ……何で、あんなのが、ココで、働いてんだ」
カイトは、一単語ずつ区切って、つきつけるように言った。
聞いていることの、どれもこれもが気に入らない。
それがにじみ出ている声だった。
「申し訳ありませんが、スタッフのプライベートまではお答えできかねま……」
くだらない言葉が続きそうな予感は、最初からあったのだ。
カイトは、尻ポケットから札入れを取った。
そのまま、手を突っ込んで一掴み札を抜き出して、彼女の目の前に無言で置いた。
これが、彼のやり方だった。
強引で乱暴な経営。
業界で、彼を形容する言葉がそれだ。
このカイトの性格のせいである。
それでも破綻しないのは、ソフトの質がズバ抜けて高いことと、サポート役がしっかりしているからだった。
女は、焦ることなくそのお金を取って引っ込める。
かなり肝のすわっている。
ランジェリー女とは、格が違うとでも言いたげな表情で。
「お客様……よろしければ、私とあちらのボックスでお話しませんか?」
空いている、別の個人用ボックスを指す。
カイトは、無言で歩き出した。