冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
カチャカチャ。
しかし、それを陶磁器の音が邪魔をする。
ん?
カイトは、音の方をみやった。
メイが汚れた皿を重ねている。スプーンやフォークも上に乗せるのだ。
じーっっっ。
カイトは、観察をしていた。
するとメイは立ち上がって、その皿を持って調理場の方に行こうとするのである。
案の定、だ。
「すんな!」
カイトの言葉は、『だるまさんがころんだ』よりも、威力があった。
彼女は、ぴたーっと止まってしまったのだ。
ガシャッと、持っていた皿が音を立てる。
落とさなかったのは幸運だったか。
彼の言葉は、メイを驚かせるために存在するらしい。
それを言うなら、彼女の態度のどれもこれもが、カイトが望んでいるものではなかったが。
「え…でも、このままじゃ…」
お皿を持ったまま顎だけが彼の方を向いて、そうして目が片付けさせて欲しいと訴えている。
「それは、おめーがやるこっちゃねぇ…ハルコが明日やる」
置け。
カイトは、訴えを受け入れなかった。
「でも、いまのうちの方が汚れが落ちるんですよ…明日の朝になったら…」
洗剤のCMにでも出るつもりなのか、彼女はいま洗うことの有効性を彼に伝えようとする。
「おめーを家政婦として連れてきたんじゃねーって、何べん言ったら分かんだ!」
そういうことを、彼女に強いたくないのだ。
借金のことを忘れないから、メイは労働しようとしているのである。
そう、カイトには思えた。
「あの…」
でもまだ皿から手を離さない状態で、彼女は口ごもる。
「置け」
カイトも強硬だった。
「でも…」
メイは、まだ戸惑っている。
「でも、じゃねー!」
カイトは、問答にイライラし始めていた。
せっかく彼が楽な道に続くドアを開けているというのに、どうしてメイは歩いてこないのか。
「でも…汚れたお皿を片付けないと…私…眠れないんです!」
言わなくちゃ!
そういう決意の声と目が、ばっとカイトに向けられる。
は?
カイトは、目が点になった。
カチャカチャ。
しかし、それを陶磁器の音が邪魔をする。
ん?
カイトは、音の方をみやった。
メイが汚れた皿を重ねている。スプーンやフォークも上に乗せるのだ。
じーっっっ。
カイトは、観察をしていた。
するとメイは立ち上がって、その皿を持って調理場の方に行こうとするのである。
案の定、だ。
「すんな!」
カイトの言葉は、『だるまさんがころんだ』よりも、威力があった。
彼女は、ぴたーっと止まってしまったのだ。
ガシャッと、持っていた皿が音を立てる。
落とさなかったのは幸運だったか。
彼の言葉は、メイを驚かせるために存在するらしい。
それを言うなら、彼女の態度のどれもこれもが、カイトが望んでいるものではなかったが。
「え…でも、このままじゃ…」
お皿を持ったまま顎だけが彼の方を向いて、そうして目が片付けさせて欲しいと訴えている。
「それは、おめーがやるこっちゃねぇ…ハルコが明日やる」
置け。
カイトは、訴えを受け入れなかった。
「でも、いまのうちの方が汚れが落ちるんですよ…明日の朝になったら…」
洗剤のCMにでも出るつもりなのか、彼女はいま洗うことの有効性を彼に伝えようとする。
「おめーを家政婦として連れてきたんじゃねーって、何べん言ったら分かんだ!」
そういうことを、彼女に強いたくないのだ。
借金のことを忘れないから、メイは労働しようとしているのである。
そう、カイトには思えた。
「あの…」
でもまだ皿から手を離さない状態で、彼女は口ごもる。
「置け」
カイトも強硬だった。
「でも…」
メイは、まだ戸惑っている。
「でも、じゃねー!」
カイトは、問答にイライラし始めていた。
せっかく彼が楽な道に続くドアを開けているというのに、どうしてメイは歩いてこないのか。
「でも…汚れたお皿を片付けないと…私…眠れないんです!」
言わなくちゃ!
そういう決意の声と目が、ばっとカイトに向けられる。
は?
カイトは、目が点になった。