冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
「え…あ、よかったら部屋に戻ってらっしゃってく…」
彼女は、最後まで言えなかった。
当たり前だ。
カイトが、ギロリと睨んだのだから。
「あと4分45秒」
カイトは頬づえをつきながら言った。
「…!」
メイは、スタートボタンを押したように動き出した。
まず自分の皿を調理場の方に持っていき、戻ってくるなりカイトの皿を片付け始めたのだ。
「オレのは…」
しなくていー。
言おうと思ったのに、メイの頭にはもう残りタイムしかないようで。
カシャンカシャンと手早く重ねてしまうと、バタバタと調理場の方に消えていくのだ。
あんなに早く動けるとは思っていなかったカイトは、言いかけた途中の言葉を失ったまま席に取り残された。
ふぅっ。
開けた口を閉じるだけでは芸がなく、カイトは吐息をついた。
本当なら。
カイトは、今頃まだ仕事をしているだろう。
時計はまだ夜の8時くらいで。
これから、彼はこの家で何をすれば時間をつぶせるか分からなかった。
深夜2時よりも早く眠れないカイトの体質からすれば、あと6時間も空白の時間があるのだ。
「え…あ、よかったら部屋に戻ってらっしゃってく…」
彼女は、最後まで言えなかった。
当たり前だ。
カイトが、ギロリと睨んだのだから。
「あと4分45秒」
カイトは頬づえをつきながら言った。
「…!」
メイは、スタートボタンを押したように動き出した。
まず自分の皿を調理場の方に持っていき、戻ってくるなりカイトの皿を片付け始めたのだ。
「オレのは…」
しなくていー。
言おうと思ったのに、メイの頭にはもう残りタイムしかないようで。
カシャンカシャンと手早く重ねてしまうと、バタバタと調理場の方に消えていくのだ。
あんなに早く動けるとは思っていなかったカイトは、言いかけた途中の言葉を失ったまま席に取り残された。
ふぅっ。
開けた口を閉じるだけでは芸がなく、カイトは吐息をついた。
本当なら。
カイトは、今頃まだ仕事をしているだろう。
時計はまだ夜の8時くらいで。
これから、彼はこの家で何をすれば時間をつぶせるか分からなかった。
深夜2時よりも早く眠れないカイトの体質からすれば、あと6時間も空白の時間があるのだ。