冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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幸い昨日と違って、毛布がもう一枚用意されている。
カイトは、それを持ってソファに行った。
まだ寝るつもりはない。
こんなお子さま時間に眠れるハズもなかった。
けれども、風呂から上がってきた彼女と、また同じ空間と時間を穏やかに共有できるかというと、とてもじゃないがそうは思えない。
結局、無理にでも早く寝てしまう運命かもしれなかった。
とりあえず。
メイが風呂から上がってきたら、今度は自分が入ろうと思った。
どうしても、いま入りたいというわけじゃない。
しかし、壁一枚でも隔てられている間は、イライラはするものの怒鳴らずに済むのだ。
彼女じゃなくても、怒鳴られて気持ちがいいハズがない。
なのに、どうしてもこの口は怒鳴ってしまうのである。
何でこーなんだよ。
置いた毛布の隣にどすんと座り込みながら、カイトは頭を抱えてみる。
もっと普通の言葉で、会話出来るはずなのだ。同じ人間なのだから。
けれども、メイが脅えたり、勝手に泣き出したり、気を使い過ぎたりするから。
オレは、あいつにどうしてほしーんだ?
昨日までのことを全部流して、それで側にいて欲しいなんて――普通の神経じゃない。
借金という拘束があるなら、側に置いておく理由もあるだろうし、いろんなものを納得させられそうな気がした。
借金がないなら、彼女は出ていってもおかしくないのだ。
それは、イヤだ。
だだっ子のように、カイトは一言で却下した。
彼は、技術力とカンとひらめきで生きてきた男だ。
技術力は裏付けがあるが、他の二つはそうじゃない。
その、そうじゃない二つが、メイの右腕と左腕を掴んでいるのだ。
結局、世の中の誰も納得できない形でしか、メイの存在を表現出来ないでいる。
おかげで、あんなくだらなくてヘタクソなウソまでつくハメになったのだ。
幸い昨日と違って、毛布がもう一枚用意されている。
カイトは、それを持ってソファに行った。
まだ寝るつもりはない。
こんなお子さま時間に眠れるハズもなかった。
けれども、風呂から上がってきた彼女と、また同じ空間と時間を穏やかに共有できるかというと、とてもじゃないがそうは思えない。
結局、無理にでも早く寝てしまう運命かもしれなかった。
とりあえず。
メイが風呂から上がってきたら、今度は自分が入ろうと思った。
どうしても、いま入りたいというわけじゃない。
しかし、壁一枚でも隔てられている間は、イライラはするものの怒鳴らずに済むのだ。
彼女じゃなくても、怒鳴られて気持ちがいいハズがない。
なのに、どうしてもこの口は怒鳴ってしまうのである。
何でこーなんだよ。
置いた毛布の隣にどすんと座り込みながら、カイトは頭を抱えてみる。
もっと普通の言葉で、会話出来るはずなのだ。同じ人間なのだから。
けれども、メイが脅えたり、勝手に泣き出したり、気を使い過ぎたりするから。
オレは、あいつにどうしてほしーんだ?
昨日までのことを全部流して、それで側にいて欲しいなんて――普通の神経じゃない。
借金という拘束があるなら、側に置いておく理由もあるだろうし、いろんなものを納得させられそうな気がした。
借金がないなら、彼女は出ていってもおかしくないのだ。
それは、イヤだ。
だだっ子のように、カイトは一言で却下した。
彼は、技術力とカンとひらめきで生きてきた男だ。
技術力は裏付けがあるが、他の二つはそうじゃない。
その、そうじゃない二つが、メイの右腕と左腕を掴んでいるのだ。
結局、世の中の誰も納得できない形でしか、メイの存在を表現出来ないでいる。
おかげで、あんなくだらなくてヘタクソなウソまでつくハメになったのだ。