冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
持て余すくらいの火。
大慌てで、メイは心のドアを閉めた。
余りに隠せない火の数だったからだ。
きっと、誰にでも見つかってしまう。
世界中の人に、自分がカイトのことをどう思ってしまうか、バレてしまうに違いないと。
しばらく混乱したけれども、何とかドアを閉めてしまうと、大きく気になることが一つだけ残った。
シャツ…。
彼の胸のカシオペアは、まだ消えないままだ。
「あっ!」
メイは立ち上がった。
まだ、諦めずに済む方法があったのだ。
けれども、それは前に考えていた方法よりもリスクのあることで。
彼女は、こっそりと脱衣所に近付いた。
ドアに耳を当てて、中の様子をうかがうなどというドロボウまがいのことをする。
水音が聞こえた。
彼は、お風呂に入ったのだ。
それは間違いなかった。
「ご…ごめんなさぁい」
そぉっと。
メイは、ドアの音もしないようにそぉっと開けたのだ。
心の中で、何十回もごめんなさいを言いながら。
すると、幸いなことに一番最初に脱いだようで、ドアを開けたすぐ足元に彼のシャツが落ちていた。
彼女は慌ててそれを拾うと、そっとドアを戻した。
ばっと目の前で広げると、やっぱり見事なカシオペアが残っている。
急がなきゃ!
カイトがお風呂から上がってくるまでに、応急処置だけはしておかないと、また叱られてしまう。
メイは、部屋を飛び出した。
幸い、廊下も階段も電気がつきっぱなしで、彼女は迷うことなく、パジャマ姿のままで階段を駆け下りることが出来た。
裸足だったから出来たことだ。
これがスリッパなら、転げ落ちたかもしれない。
フロアで左に曲がって。
そうして。
彼女が、さっき食事をしたダイニングに飛び込むのだ。
そこもまだ電気がついていた。
暖房もつきっぱなしである。
パジャマ姿の彼女には、ありがたいことだ。
持て余すくらいの火。
大慌てで、メイは心のドアを閉めた。
余りに隠せない火の数だったからだ。
きっと、誰にでも見つかってしまう。
世界中の人に、自分がカイトのことをどう思ってしまうか、バレてしまうに違いないと。
しばらく混乱したけれども、何とかドアを閉めてしまうと、大きく気になることが一つだけ残った。
シャツ…。
彼の胸のカシオペアは、まだ消えないままだ。
「あっ!」
メイは立ち上がった。
まだ、諦めずに済む方法があったのだ。
けれども、それは前に考えていた方法よりもリスクのあることで。
彼女は、こっそりと脱衣所に近付いた。
ドアに耳を当てて、中の様子をうかがうなどというドロボウまがいのことをする。
水音が聞こえた。
彼は、お風呂に入ったのだ。
それは間違いなかった。
「ご…ごめんなさぁい」
そぉっと。
メイは、ドアの音もしないようにそぉっと開けたのだ。
心の中で、何十回もごめんなさいを言いながら。
すると、幸いなことに一番最初に脱いだようで、ドアを開けたすぐ足元に彼のシャツが落ちていた。
彼女は慌ててそれを拾うと、そっとドアを戻した。
ばっと目の前で広げると、やっぱり見事なカシオペアが残っている。
急がなきゃ!
カイトがお風呂から上がってくるまでに、応急処置だけはしておかないと、また叱られてしまう。
メイは、部屋を飛び出した。
幸い、廊下も階段も電気がつきっぱなしで、彼女は迷うことなく、パジャマ姿のままで階段を駆け下りることが出来た。
裸足だったから出来たことだ。
これがスリッパなら、転げ落ちたかもしれない。
フロアで左に曲がって。
そうして。
彼女が、さっき食事をしたダイニングに飛び込むのだ。
そこもまだ電気がついていた。
暖房もつきっぱなしである。
パジャマ姿の彼女には、ありがたいことだ。