冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
何たる失態か。
女一人に振り回されて、酒におぼれて、挙げ句の果てには自爆である。
こんなことが、あっていいのか。
と、とにかく。
このまま、同じベッドにいるワケにもいかない。
外はもう夜明けで。
朝ということは、彼の仕事が始まることを意味している。
こんなところをシュウに見られようものなら。
ガバッ。
カイトは反動をつけて飛び起きた。
「ん…っ…」
その勢いで揺れたベッドに、彼女は小さなうめき声をあげた。
鼻にかかるような掠れた音
ズキズキズキ。
心臓をガタガタにさせてくれる女だ。
いや、いまはそんな事実を確認するより、彼はベッドから転がり出なければならないのである。
もしかしたら、メイは眠りが深く熟睡していて、カイトが同じベッドに来たことを覚えていないかもしれない。
それなら好都合だ。
そんなささやかな望みを託しながら、カイトはベッドから飛び出した。
いや、転がり落ちたと言った方が正しいか。それくらい慌てていたのである。
ガンッ。
床に頭をぶつけたカイトが見たものは、その頭からわずか5センチほどずれたところに転がる、昨日捨てた枕だった。
見事接触していれば、こんなに頭が痛い思いをすることもなかったというのに、まるで昨日カイトに捨てられたことへの反撃であるかのように、少し離れたところにいるのだ。
羽根枕が、ざまーみろと言っているように思えて、カイトはムッとした八つ当たりに、それを掴み上げると更に遠くに投げ捨てた。
チクショウ!
何でこうなんだよ!
全てがうまく噛み合っていない。
それもこれも!
カイトは、コトの元凶であるメイを睨み付けようとした。ベッドの上を、だ。
しかし。
チョコレート色と目があったことに気づいた。
丸く開いた茶色の目だ。
何たる失態か。
女一人に振り回されて、酒におぼれて、挙げ句の果てには自爆である。
こんなことが、あっていいのか。
と、とにかく。
このまま、同じベッドにいるワケにもいかない。
外はもう夜明けで。
朝ということは、彼の仕事が始まることを意味している。
こんなところをシュウに見られようものなら。
ガバッ。
カイトは反動をつけて飛び起きた。
「ん…っ…」
その勢いで揺れたベッドに、彼女は小さなうめき声をあげた。
鼻にかかるような掠れた音
ズキズキズキ。
心臓をガタガタにさせてくれる女だ。
いや、いまはそんな事実を確認するより、彼はベッドから転がり出なければならないのである。
もしかしたら、メイは眠りが深く熟睡していて、カイトが同じベッドに来たことを覚えていないかもしれない。
それなら好都合だ。
そんなささやかな望みを託しながら、カイトはベッドから飛び出した。
いや、転がり落ちたと言った方が正しいか。それくらい慌てていたのである。
ガンッ。
床に頭をぶつけたカイトが見たものは、その頭からわずか5センチほどずれたところに転がる、昨日捨てた枕だった。
見事接触していれば、こんなに頭が痛い思いをすることもなかったというのに、まるで昨日カイトに捨てられたことへの反撃であるかのように、少し離れたところにいるのだ。
羽根枕が、ざまーみろと言っているように思えて、カイトはムッとした八つ当たりに、それを掴み上げると更に遠くに投げ捨てた。
チクショウ!
何でこうなんだよ!
全てがうまく噛み合っていない。
それもこれも!
カイトは、コトの元凶であるメイを睨み付けようとした。ベッドの上を、だ。
しかし。
チョコレート色と目があったことに気づいた。
丸く開いた茶色の目だ。