冬うらら~猫と起爆スイッチ~
12/01 Wed.-2
●44
ハルコは――喜んで、手伝いをさせてくれた。
いろんなことも話してくれて、彼女がカイトの元秘書であったことが分かった。
「あ…そうだったんですか」
道理でただの家政婦にしては、カイトのことをいろいろ知っているわけだ。
2人の間に流れる不思議な空気の意味も、これで理解できたのだ。
そして、社長と秘書という構図が、とても似合う2人であることに気づく。
彼女なら、どんなにカイトに怒鳴られようとも、きっと軽く受け流せるのだろう。この笑みで。
「彼は、本当に何も話してないの…ふふ、まあ話すような人じゃないわね」
そう、きっとこんな笑みだ。
社長に向けているというよりは、弟か何かに向けているような気がする微笑み。
結婚退社した後も、カイトが手放さないわけである。
彼女なら安心して、何でも任せられそうな気がしたのだ。
メイは、そういう気持ちをそのまま素直に伝えた。
「あら…そうでもないのよ」
すると、少し意地悪にハルコは微笑んで。
「元々、秘書になる前からの知り合いで…私の夫は、いまでもカイトと大の仲良しだわ」
大学で知り合ったのよ。
そんな話ができるようになったのは、もう夕方。
夕食の準備に取りかかった頃だった。
メイはジャガイモをむいてゆではじめていた。マッシュポテトにするのだ。
「大学…?」
メイは、また不思議だった。
もしかして、彼女はカイトと同じ年だろうかと思ったのだ。
けれども、見間違いでない限りは、どう見てもハルコの方が年上に見えた。
「そうそう、私と夫が大学3年の頃ね。同じサークルだったシュウ君のところに、遊びに来た新入生がいたの。まだ入学式が終わって、何日かたったばっかりくらいの時に」
ハルコは、スープをかき混ぜながら、思い出すような目線になった。
ハルコは――喜んで、手伝いをさせてくれた。
いろんなことも話してくれて、彼女がカイトの元秘書であったことが分かった。
「あ…そうだったんですか」
道理でただの家政婦にしては、カイトのことをいろいろ知っているわけだ。
2人の間に流れる不思議な空気の意味も、これで理解できたのだ。
そして、社長と秘書という構図が、とても似合う2人であることに気づく。
彼女なら、どんなにカイトに怒鳴られようとも、きっと軽く受け流せるのだろう。この笑みで。
「彼は、本当に何も話してないの…ふふ、まあ話すような人じゃないわね」
そう、きっとこんな笑みだ。
社長に向けているというよりは、弟か何かに向けているような気がする微笑み。
結婚退社した後も、カイトが手放さないわけである。
彼女なら安心して、何でも任せられそうな気がしたのだ。
メイは、そういう気持ちをそのまま素直に伝えた。
「あら…そうでもないのよ」
すると、少し意地悪にハルコは微笑んで。
「元々、秘書になる前からの知り合いで…私の夫は、いまでもカイトと大の仲良しだわ」
大学で知り合ったのよ。
そんな話ができるようになったのは、もう夕方。
夕食の準備に取りかかった頃だった。
メイはジャガイモをむいてゆではじめていた。マッシュポテトにするのだ。
「大学…?」
メイは、また不思議だった。
もしかして、彼女はカイトと同じ年だろうかと思ったのだ。
けれども、見間違いでない限りは、どう見てもハルコの方が年上に見えた。
「そうそう、私と夫が大学3年の頃ね。同じサークルだったシュウ君のところに、遊びに来た新入生がいたの。まだ入学式が終わって、何日かたったばっかりくらいの時に」
ハルコは、スープをかき混ぜながら、思い出すような目線になった。