冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
確かにテーブルには、食事の用意が整っているようだ。
しかし!
何故、今日も食事の用意が出来ていて、ソウマが食前酒というのか。
食前酒とは食事の前に――んなの分かってんだよ!
食事の前に、まず飲む気なのだ。
ということは、ソウマはここで食事をしていく気なのである。
絶対。
ハルコとグルだ。
この家に黙って入れるのも、メイが警戒しないのも、食事の用意が出来るのも、その量も。
すべて、頸動脈を押さえているのはハルコなのだから。
クソッ。
この夫婦は、カイトの行動を当てるのが大得意と来ているからハラが立つ。
まだ、シュウのように首を傾げていればいいのに。
「オレは、ワインなんざ飲みたくねーんだよ!」
だから、てめーも一緒に帰れ!
カイトは、はっきりまったく1ミリの誤解も起きないように怒鳴った。
とにかく、これ以上この空間にいて欲しくなかったのだ。
「そうか? それは残念だな…お嬢さんも楽しみにしていたのにな」
なのに、いきなり本当に残念そうな口調になって、メイの方を見るのである。
あぁ?
何故、そこで話題が彼女に行くのか、カイトには理解できなかった。
「あ…いえ、私はそんな…」
慌てて、彼女は遠慮するような唇になって。
「そうか? おいしいワインを飲んだことがないと言っていたから、是非味わって欲しかったんだが…」
カイトが、どうしてもダメというからなぁ。
チラリ。
彼を見るソウマの横目。
絶対、全て計算していた。
ヤッちまうぞ、てめー!
心の中で出刃包丁をひらめかせながら、頬をひきつらせた。
しかし、「ホントにいいんです…」とメイがソウマに悪そうに言うものだから――これでは、まるで彼が悪人だ。
彼女が、カイトの手前遠慮しているような気がしてしょうがなかった。
確かにテーブルには、食事の用意が整っているようだ。
しかし!
何故、今日も食事の用意が出来ていて、ソウマが食前酒というのか。
食前酒とは食事の前に――んなの分かってんだよ!
食事の前に、まず飲む気なのだ。
ということは、ソウマはここで食事をしていく気なのである。
絶対。
ハルコとグルだ。
この家に黙って入れるのも、メイが警戒しないのも、食事の用意が出来るのも、その量も。
すべて、頸動脈を押さえているのはハルコなのだから。
クソッ。
この夫婦は、カイトの行動を当てるのが大得意と来ているからハラが立つ。
まだ、シュウのように首を傾げていればいいのに。
「オレは、ワインなんざ飲みたくねーんだよ!」
だから、てめーも一緒に帰れ!
カイトは、はっきりまったく1ミリの誤解も起きないように怒鳴った。
とにかく、これ以上この空間にいて欲しくなかったのだ。
「そうか? それは残念だな…お嬢さんも楽しみにしていたのにな」
なのに、いきなり本当に残念そうな口調になって、メイの方を見るのである。
あぁ?
何故、そこで話題が彼女に行くのか、カイトには理解できなかった。
「あ…いえ、私はそんな…」
慌てて、彼女は遠慮するような唇になって。
「そうか? おいしいワインを飲んだことがないと言っていたから、是非味わって欲しかったんだが…」
カイトが、どうしてもダメというからなぁ。
チラリ。
彼を見るソウマの横目。
絶対、全て計算していた。
ヤッちまうぞ、てめー!
心の中で出刃包丁をひらめかせながら、頬をひきつらせた。
しかし、「ホントにいいんです…」とメイがソウマに悪そうに言うものだから――これでは、まるで彼が悪人だ。
彼女が、カイトの手前遠慮しているような気がしてしょうがなかった。