冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
足元で、赤いワインの瓶が割れて飛び散る。
メイに渡したのを落としたのかと思って、カイトはばっと顔を前に向けた。
そこに彼女がいるはずだった。
しかし、いたのはソウマだった。
え?
「はっはっは、しょうがないヤツだな…男なら男らしく、ちゃんと告白したらどうだ?」
脳天気な笑顔で、いきなり脈絡もない話をし始める。
待て。
さっきまで、メイがいて。
ここは客間の前だったはずなのに、どう見てもダイニングの光景に変わっている。
「カイト…」
呼ばれて。
振り返っていたのは、シュウだった。
「最近、勤務態度がたるんでいますね…あのアタッシュケースはどこへやったんです?」
話の内容と順番がめちゃくちゃなことを言い出す。
シュウは、決してこういうことは言わないヤツだ。
いや、前半と後半をバラバラに言うことはあるだろう。
しかし、一度の言葉の中に混ぜたりしない。
分かった。
これは、夢なのだ。
カイトは、いま、夢を見ているのである。
最初のメイがいたのも?
やや混同している意識ながらも、彼はここが夢であることを、ちゃんと知ることが出来た。
そうなれば怖いことはない。
「何も知らねークセに、勝手なこと言うんじゃねぇ!」
だから、思い切り怒鳴る。
ここは、自分の意識の世界なのだ。誰にも、聞かれたり見られたりすることはない。
足元で、赤いワインの瓶が割れて飛び散る。
メイに渡したのを落としたのかと思って、カイトはばっと顔を前に向けた。
そこに彼女がいるはずだった。
しかし、いたのはソウマだった。
え?
「はっはっは、しょうがないヤツだな…男なら男らしく、ちゃんと告白したらどうだ?」
脳天気な笑顔で、いきなり脈絡もない話をし始める。
待て。
さっきまで、メイがいて。
ここは客間の前だったはずなのに、どう見てもダイニングの光景に変わっている。
「カイト…」
呼ばれて。
振り返っていたのは、シュウだった。
「最近、勤務態度がたるんでいますね…あのアタッシュケースはどこへやったんです?」
話の内容と順番がめちゃくちゃなことを言い出す。
シュウは、決してこういうことは言わないヤツだ。
いや、前半と後半をバラバラに言うことはあるだろう。
しかし、一度の言葉の中に混ぜたりしない。
分かった。
これは、夢なのだ。
カイトは、いま、夢を見ているのである。
最初のメイがいたのも?
やや混同している意識ながらも、彼はここが夢であることを、ちゃんと知ることが出来た。
そうなれば怖いことはない。
「何も知らねークセに、勝手なこと言うんじゃねぇ!」
だから、思い切り怒鳴る。
ここは、自分の意識の世界なのだ。誰にも、聞かれたり見られたりすることはない。