冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
チクショー!!!!
混乱する頭を押さえることが出来ず、カイトはオムレツをヤケのように口の中に押し込み始めた。パンにかぶりつく。
「あっ…」
いきなりのその暴挙に、メイは驚いた声をあげた。
しかし、無視してかきこむ。スープも流し込む。
カイトは、物凄い勢いでテーブルの上を片付けたのである。
味なんて、分かったものじゃなかった。
手のひらで口元を拭いながら席を立つ。
椅子が大げさな音をたてて、その勢いに抗議した。
「あの…すみませ…」
まだ謝ろうとするメイを、ギロッと睨んだ。
てっきり、さっきの件をまだ言及しようとしていたのかと思ったのだ。
しかし、彼女はカイトのすぐ側まで近づいていた。
これには驚いて、一瞬動きを止める。
意味が違ったのだ。
朝食が遅くなってごめんなさいということではなく、ちょっと失礼します、のすみませんだったのである。
メイの手が――伸びてくる。
…ッ!
触れられた瞬間。
身体が、まるで金属のようになった。
曲げるのにも一苦労な、融通のきかない固すぎる金属。
その金属板と化したカイトのネクタイを、メイは締めにきたのだ。
触れることのできない身体が、こんなにすぐ側で。
息づかいだって聞こえるくらい側で。
指が伸びてきたが、しかし、ネクタイには触らなかった。
ネクタイを飛び越して、カイトの胸に。
ドキンッ!
胸が跳ねる。
彼女が何をしようとしているのか分からなかったのだ。
指先が、カイトの、胸に当たった。
胸に。
分かった。
メイは――彼のシャツのボタンをとめようとしたのだ。
チクショー!!!!
混乱する頭を押さえることが出来ず、カイトはオムレツをヤケのように口の中に押し込み始めた。パンにかぶりつく。
「あっ…」
いきなりのその暴挙に、メイは驚いた声をあげた。
しかし、無視してかきこむ。スープも流し込む。
カイトは、物凄い勢いでテーブルの上を片付けたのである。
味なんて、分かったものじゃなかった。
手のひらで口元を拭いながら席を立つ。
椅子が大げさな音をたてて、その勢いに抗議した。
「あの…すみませ…」
まだ謝ろうとするメイを、ギロッと睨んだ。
てっきり、さっきの件をまだ言及しようとしていたのかと思ったのだ。
しかし、彼女はカイトのすぐ側まで近づいていた。
これには驚いて、一瞬動きを止める。
意味が違ったのだ。
朝食が遅くなってごめんなさいということではなく、ちょっと失礼します、のすみませんだったのである。
メイの手が――伸びてくる。
…ッ!
触れられた瞬間。
身体が、まるで金属のようになった。
曲げるのにも一苦労な、融通のきかない固すぎる金属。
その金属板と化したカイトのネクタイを、メイは締めにきたのだ。
触れることのできない身体が、こんなにすぐ側で。
息づかいだって聞こえるくらい側で。
指が伸びてきたが、しかし、ネクタイには触らなかった。
ネクタイを飛び越して、カイトの胸に。
ドキンッ!
胸が跳ねる。
彼女が何をしようとしているのか分からなかったのだ。
指先が、カイトの、胸に当たった。
胸に。
分かった。
メイは――彼のシャツのボタンをとめようとしたのだ。