冬うらら~猫と起爆スイッチ~
◎
玄関のドアを開けると、小さな物音が聞こえた。
方向から言えば、ダイニングの方である。
メイがそっちにいるのだろうかと思って、ハルコは歩き始めた。
もしかしたら、朝食を食べているのかもしれないと思いながら。
しかし、昨日までの彼女を見る限りは、そんなことを勝手にやるとも思えなかった。
ドロボウ…じゃないわよね。
片目を細めながら、ハルコは少し物騒なことを考えた。
まあ、可能性的にはメイが一番高い。
何をしているにせよ、そこにいるのではないかと思って、ダイニングのドアを開けた。
「あ、おはようございます」
メイだ。
テーブルの上を片付けているところだった。
あら?
ハルコは、ふっと胸を掠めた違和感に目をこらす。
もう一度、ちゃんとメイの姿を見つめた。
別におかしいところなどない。髪型を変えた訳でも、化粧をしている訳でもない。
見た感じは、昨日と何一つ代わらないハズ―― だった。
なのに、挨拶をした時の彼女の笑顔は。
昨日までの色と、大きく違っていたのだ。
ほこりをかぶっていた家具を磨いたかのように、キラキラとしている。
あらあらあら…まあまあまあ。
ハルコの心の中で、天使が歌った。
これは、きっとすごくいいことの証明なのだと言わんばかりに、胸の中をチビ天使たちが飛び回るのである。
つられてハルコも微笑んでしまった。
メイは、テーブルを片付けている。
しかし、そこは――
あら?
眉を動かす。
そこは、カイトの席だったのだ。
昨日の夕食の内容なら、彼女も作った。
しかし、違うものをメイは片付けていたのだ。
あら、まあ。
また、ハルコの心に花が咲いた。
あのカイトに、朝食を食べさせたのだろう。
それが分かって、すごく楽しい気持ちになってしまった。
玄関のドアを開けると、小さな物音が聞こえた。
方向から言えば、ダイニングの方である。
メイがそっちにいるのだろうかと思って、ハルコは歩き始めた。
もしかしたら、朝食を食べているのかもしれないと思いながら。
しかし、昨日までの彼女を見る限りは、そんなことを勝手にやるとも思えなかった。
ドロボウ…じゃないわよね。
片目を細めながら、ハルコは少し物騒なことを考えた。
まあ、可能性的にはメイが一番高い。
何をしているにせよ、そこにいるのではないかと思って、ダイニングのドアを開けた。
「あ、おはようございます」
メイだ。
テーブルの上を片付けているところだった。
あら?
ハルコは、ふっと胸を掠めた違和感に目をこらす。
もう一度、ちゃんとメイの姿を見つめた。
別におかしいところなどない。髪型を変えた訳でも、化粧をしている訳でもない。
見た感じは、昨日と何一つ代わらないハズ―― だった。
なのに、挨拶をした時の彼女の笑顔は。
昨日までの色と、大きく違っていたのだ。
ほこりをかぶっていた家具を磨いたかのように、キラキラとしている。
あらあらあら…まあまあまあ。
ハルコの心の中で、天使が歌った。
これは、きっとすごくいいことの証明なのだと言わんばかりに、胸の中をチビ天使たちが飛び回るのである。
つられてハルコも微笑んでしまった。
メイは、テーブルを片付けている。
しかし、そこは――
あら?
眉を動かす。
そこは、カイトの席だったのだ。
昨日の夕食の内容なら、彼女も作った。
しかし、違うものをメイは片付けていたのだ。
あら、まあ。
また、ハルコの心に花が咲いた。
あのカイトに、朝食を食べさせたのだろう。
それが分かって、すごく楽しい気持ちになってしまった。