冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□67
トントン。
ノックだ。
カイトは、ギロッとドアを睨み付けた。
誰が来たかなんて、簡単に想像出来たからだ。
玄関に置き去りにしてきたハルコに決まっている。
話とやらを口実に、わざわざ彼の部屋に来たに違いない。
そう口実に、だ。
どうせ、彼を笑いに来たに違いない。
あの夫婦は、調子の狂っているカイトを、更におかしくしようと思ってるのだ。
おめーらに構ってるヒマぁ、ねーんだよ!
本音はそれだ。
シュウに、そう言ってやりたかった。
とにかく――誰にも、邪魔をされたくなかったのだ。
これ以上、自分のペースをメチャクチャにされたくない。
メイという女一人だけでも手一杯、いや、手に余っているというのに。
ノックを無視しようとした。
ハルコの場合、勝手に入ってくる可能性もあるので、とっとと風呂場に行こうと思って動きかける。
その時、ドアが言った。
「メイです」、と。
瞬間、身体強制停止した。
ハルコではなかったのである。
そのドアの向こうにいるのは。
たった一言の情報だけで、カイトは大慌てでドアの方へと向かった。
大股で、力を込めて。
本当にそこに彼女がいるのか、いや、いるに違いないのだが、全然実感としてなかった。
はやる気持ちを押さえつつ、カイトはドアの側に近づきながら腕を伸ばして、ノブを掴むやガンと強く開いた。
勿論。
いて当然だ。
しかし、いきなりこんな目の前で――しかも、ドアを開けるや目が合うなんてことは予測もしていなかった。
驚いた茶色の大きな目に、吸い込まれてしまいそうになる。
ハッ!
カイトは我に返った。
トントン。
ノックだ。
カイトは、ギロッとドアを睨み付けた。
誰が来たかなんて、簡単に想像出来たからだ。
玄関に置き去りにしてきたハルコに決まっている。
話とやらを口実に、わざわざ彼の部屋に来たに違いない。
そう口実に、だ。
どうせ、彼を笑いに来たに違いない。
あの夫婦は、調子の狂っているカイトを、更におかしくしようと思ってるのだ。
おめーらに構ってるヒマぁ、ねーんだよ!
本音はそれだ。
シュウに、そう言ってやりたかった。
とにかく――誰にも、邪魔をされたくなかったのだ。
これ以上、自分のペースをメチャクチャにされたくない。
メイという女一人だけでも手一杯、いや、手に余っているというのに。
ノックを無視しようとした。
ハルコの場合、勝手に入ってくる可能性もあるので、とっとと風呂場に行こうと思って動きかける。
その時、ドアが言った。
「メイです」、と。
瞬間、身体強制停止した。
ハルコではなかったのである。
そのドアの向こうにいるのは。
たった一言の情報だけで、カイトは大慌てでドアの方へと向かった。
大股で、力を込めて。
本当にそこに彼女がいるのか、いや、いるに違いないのだが、全然実感としてなかった。
はやる気持ちを押さえつつ、カイトはドアの側に近づきながら腕を伸ばして、ノブを掴むやガンと強く開いた。
勿論。
いて当然だ。
しかし、いきなりこんな目の前で――しかも、ドアを開けるや目が合うなんてことは予測もしていなかった。
驚いた茶色の大きな目に、吸い込まれてしまいそうになる。
ハッ!
カイトは我に返った。