冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
おず。
そんな素足から、メイは出てきた。
頭が。
いきなり、頭がぼぉっとなった。
そこには――知らない女がいたのだ。
暗いところでしかしっかり見ていなかった彼女は、まるで全然別人だった。
カイトが、目を疑ったくらいだ。
濡れた黒い髪は、室内灯で艶やかにと輝いている。
いや、それよりも何よりも、顔だ。
あのケバい化粧が、似合わないハズである。
ぬけるように白い肌に、年齢が読みにくいあどけなさの残る顔が、カイトを見ていたのだ。
戸惑った不安そうな目だけは、バスルームに入る前と変わりなかったが。
カイトは一度目を閉じて、もう一回ゆっくり開けてみた。
しかし、事態は何ら変わっていなかった。
女は化けるというが、あの後からすれば、こっちの方が断然化けたように見える。
「おめー……」
ぼぉっとしたまま、カイトは呼び掛けようとした。
口調まで、我知らずぼうっとしてしまった。
が、しかし。
いきなり、脳天を打ち割られるような衝撃が襲ってきたのだ。
メイは――彼女は。
素肌にタオル一枚の姿だったのである。
「ばっ……バカ! 何てカッコしてやがんだ!」
がばっとソファから立ち上がった。
そうして、自分が彼女のために何の着替えも用意していなかったことに、ここでようやく気付いたのである。
女の着替えなど、カイトが思いつけるハズもなかった。
おず。
そんな素足から、メイは出てきた。
頭が。
いきなり、頭がぼぉっとなった。
そこには――知らない女がいたのだ。
暗いところでしかしっかり見ていなかった彼女は、まるで全然別人だった。
カイトが、目を疑ったくらいだ。
濡れた黒い髪は、室内灯で艶やかにと輝いている。
いや、それよりも何よりも、顔だ。
あのケバい化粧が、似合わないハズである。
ぬけるように白い肌に、年齢が読みにくいあどけなさの残る顔が、カイトを見ていたのだ。
戸惑った不安そうな目だけは、バスルームに入る前と変わりなかったが。
カイトは一度目を閉じて、もう一回ゆっくり開けてみた。
しかし、事態は何ら変わっていなかった。
女は化けるというが、あの後からすれば、こっちの方が断然化けたように見える。
「おめー……」
ぼぉっとしたまま、カイトは呼び掛けようとした。
口調まで、我知らずぼうっとしてしまった。
が、しかし。
いきなり、脳天を打ち割られるような衝撃が襲ってきたのだ。
メイは――彼女は。
素肌にタオル一枚の姿だったのである。
「ばっ……バカ! 何てカッコしてやがんだ!」
がばっとソファから立ち上がった。
そうして、自分が彼女のために何の着替えも用意していなかったことに、ここでようやく気付いたのである。
女の着替えなど、カイトが思いつけるハズもなかった。