冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
どうしよう、どうしよう、どうしよう…。
ダンダンダンダン!
え?
ダンダンダンダン!
メイは、顔を上げた。
ダンダンダンダン!
音の方を見る。
ダンダンダン、バタン!
カ――イトだった。
あの床を震動させるほど強い足音で近付いてきて、たったいまドアをぶち開けたのは、カイトだったのである。
肩が上下しているのは、急いでいたせいか。
メイも、慌てて床から立ち上がる。
何事かと驚きながら。
ダンッ!
極めつけの一撃を、カイトはテーブルの上に強く置く。
ピン札だった。
いままで、誰にも使われたことのないような、触ると切れてしまいそうなお札。
それが、一分の狂いもなく正確に重なっていて、帯で止められている。
帯?
メイは、驚いて目を見張った。
見れば、カイトはその帯留めを3つもそこに叩きつけていたのである。
ま、待って!
一瞬、メイの計算機は壊れた。
とっさに、全部でいくらなのか計算できなかったのだ。
しかし、カイトはそれを置くや、顰めっ面のまま同じ勢いで出て行こうとするではないか。
これには、メイも更にビックリしてしまって。
「カイト!」
悲鳴のように――彼を呼び止めた。
名前で。
いつもの『あの…』では、止まってくれないような気がしたのだ。
もう、神経すり減らしてまで、その名前で叫んだ。
ビクッッ。
カイトの身体が震えて、そして、止まった。
どうしよう、どうしよう、どうしよう…。
ダンダンダンダン!
え?
ダンダンダンダン!
メイは、顔を上げた。
ダンダンダンダン!
音の方を見る。
ダンダンダン、バタン!
カ――イトだった。
あの床を震動させるほど強い足音で近付いてきて、たったいまドアをぶち開けたのは、カイトだったのである。
肩が上下しているのは、急いでいたせいか。
メイも、慌てて床から立ち上がる。
何事かと驚きながら。
ダンッ!
極めつけの一撃を、カイトはテーブルの上に強く置く。
ピン札だった。
いままで、誰にも使われたことのないような、触ると切れてしまいそうなお札。
それが、一分の狂いもなく正確に重なっていて、帯で止められている。
帯?
メイは、驚いて目を見張った。
見れば、カイトはその帯留めを3つもそこに叩きつけていたのである。
ま、待って!
一瞬、メイの計算機は壊れた。
とっさに、全部でいくらなのか計算できなかったのだ。
しかし、カイトはそれを置くや、顰めっ面のまま同じ勢いで出て行こうとするではないか。
これには、メイも更にビックリしてしまって。
「カイト!」
悲鳴のように――彼を呼び止めた。
名前で。
いつもの『あの…』では、止まってくれないような気がしたのだ。
もう、神経すり減らしてまで、その名前で叫んだ。
ビクッッ。
カイトの身体が震えて、そして、止まった。