冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
「え……でも……あの」
巻き付けたタオルを更に手で押さえた状態で、彼女はうつむく。
だーっっっ!!!!
頭の中がいきなり混乱を始める。
猫に毛糸玉を与えてしまった状態だ。
ひっからまって結ばって。
と、とにかく。
カイトは、彼女の方へと早足で近づいた。
ビクッと緊張する身体の真横を素通りして、彼は脱衣所に飛び込んだ。
何なりと着れそうなものを探そうと思ったのだ。
家政婦が、いつも普段着などはそこに入れているハズなので。
ガタガタッッ。
焦る動きで、あちこちに身体をぶつけながら、カイトは着替えを探った。
こういう時に限って、使えそうなものが見つからない。
ったく。
苛立っていた。
着替えを用意できなかった自分にもだし、いま探せない自分にも。
あんな格好のまま出てきた彼女にも。
それ以外の、分からないもの全部も。
とにかく、カイトは全部に苛立っていた。
思い通りにならないことは、彼は大嫌いだったのだ。
そういう苛立っている時に限って、彼女が脱いだだろう派手な毛皮なんかが目について。
目障りに思ったカイトは、それをはじき飛ばした。
が。
それがマズかった。
彼女は、彼に見られたくなかったのか、その中に下着をくるんで隠していたのである。
それが床にちらばった。
ドキーッ。
まさか、そんな事態になろうとは思っていなかったカイトは、一瞬身体が固まってしまう。
しかし、すぐに見てはいけないもののように目をそらした。
チクショウ!
調子が狂っているどころの騒ぎではなかった。
こんなに自分がパニクる日が来るなんて――彼のスケジュール帳の、どこにも書き込まれていなかったのに。
「え……でも……あの」
巻き付けたタオルを更に手で押さえた状態で、彼女はうつむく。
だーっっっ!!!!
頭の中がいきなり混乱を始める。
猫に毛糸玉を与えてしまった状態だ。
ひっからまって結ばって。
と、とにかく。
カイトは、彼女の方へと早足で近づいた。
ビクッと緊張する身体の真横を素通りして、彼は脱衣所に飛び込んだ。
何なりと着れそうなものを探そうと思ったのだ。
家政婦が、いつも普段着などはそこに入れているハズなので。
ガタガタッッ。
焦る動きで、あちこちに身体をぶつけながら、カイトは着替えを探った。
こういう時に限って、使えそうなものが見つからない。
ったく。
苛立っていた。
着替えを用意できなかった自分にもだし、いま探せない自分にも。
あんな格好のまま出てきた彼女にも。
それ以外の、分からないもの全部も。
とにかく、カイトは全部に苛立っていた。
思い通りにならないことは、彼は大嫌いだったのだ。
そういう苛立っている時に限って、彼女が脱いだだろう派手な毛皮なんかが目について。
目障りに思ったカイトは、それをはじき飛ばした。
が。
それがマズかった。
彼女は、彼に見られたくなかったのか、その中に下着をくるんで隠していたのである。
それが床にちらばった。
ドキーッ。
まさか、そんな事態になろうとは思っていなかったカイトは、一瞬身体が固まってしまう。
しかし、すぐに見てはいけないもののように目をそらした。
チクショウ!
調子が狂っているどころの騒ぎではなかった。
こんなに自分がパニクる日が来るなんて――彼のスケジュール帳の、どこにも書き込まれていなかったのに。