冬うらら~猫と起爆スイッチ~
12/03 Fri.-1
●72
準備万端。
メイは、おみそ汁の鍋をダイニングの保温プレートに運んだ。
ご飯も炊きあがったし、塩鮭は焼くだけ。
これは、彼を起こしにいった後だって間に合うハズだ。
昨日ハルコが、彼女の希望商品を買いに行ってくれたおかげだ。
こういう生活費は、許可なく使っていいのよ、とウィンクしながら。
おかげで、肉じゃがも作れたのである。
あとはおつけ物が欲しいけれども――それは、おいおい増やしていこう。
すっかり和風な朝食の準備が出来て、メイは時計を見た。
7時45分。
昨日起こした時間よりも、10分早い。
怒られないかな。
それだけが、彼女の心配だった。
朝起きるのが苦手とか嫌いな人がいる。
10分あったら、食べるより寝るという人がいるのを、メイは知っていたのだ。
学生時代、大体の男の子はそうだったし、女の子にも結構いた。
でも、遅れるより。
怒られるのは、とっくの昔から覚悟している。
予定では、昨日既に玉砕するハズだったのだ。
けれども、カイトは朝食を食べてくれた。
朝食のために、バイク通勤にまで変えてくれたのである。
怒鳴っても優しい人。
彼への評価はそれだった。
自分の中の、『好き』とも絡むものはあるけれども、その気持ちが芽生えなかったとしても、きっと彼女はカイトを尊敬する意味で好きになっていただろう。
普通は、こんな『女』な気持ちを覚えてはいけない相手だった。
でも、仕方がない。
メイは、ダイニングを出ながらカイトを思い出した。
見るもののどれもこれも、好きを上塗りしていくだけなのだ。
準備万端。
メイは、おみそ汁の鍋をダイニングの保温プレートに運んだ。
ご飯も炊きあがったし、塩鮭は焼くだけ。
これは、彼を起こしにいった後だって間に合うハズだ。
昨日ハルコが、彼女の希望商品を買いに行ってくれたおかげだ。
こういう生活費は、許可なく使っていいのよ、とウィンクしながら。
おかげで、肉じゃがも作れたのである。
あとはおつけ物が欲しいけれども――それは、おいおい増やしていこう。
すっかり和風な朝食の準備が出来て、メイは時計を見た。
7時45分。
昨日起こした時間よりも、10分早い。
怒られないかな。
それだけが、彼女の心配だった。
朝起きるのが苦手とか嫌いな人がいる。
10分あったら、食べるより寝るという人がいるのを、メイは知っていたのだ。
学生時代、大体の男の子はそうだったし、女の子にも結構いた。
でも、遅れるより。
怒られるのは、とっくの昔から覚悟している。
予定では、昨日既に玉砕するハズだったのだ。
けれども、カイトは朝食を食べてくれた。
朝食のために、バイク通勤にまで変えてくれたのである。
怒鳴っても優しい人。
彼への評価はそれだった。
自分の中の、『好き』とも絡むものはあるけれども、その気持ちが芽生えなかったとしても、きっと彼女はカイトを尊敬する意味で好きになっていただろう。
普通は、こんな『女』な気持ちを覚えてはいけない相手だった。
でも、仕方がない。
メイは、ダイニングを出ながらカイトを思い出した。
見るもののどれもこれも、好きを上塗りしていくだけなのだ。