冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
乱暴な態度とかきつい口調とか、怖かったし何かされるんじゃないかという不安が、最初はつきまとっていた。
けれども、それがボロボロとはげていく。
いつか見た、ディズニーの『美女と野獣』の野獣のようだった。
乱暴で。
きつい口調で。
本音が一番最後、もしくは最後まで見えない。
メイは、自分があてはめたたとえに、クスッと笑ってしまった。
あまりにピッタリだったのである。
勿論、カイトに魔法はかかっていないだろうけれども。
階段にさしかかる。
そこで、少し気分が沈んだ。
それじゃあ、私は野獣に幽閉されてる町娘なのかと思ったら、そうではなかったからだ。
何を考えてるの!
メイは、こんな自分はイヤだった。
沈む理由も必要もないはずだ。
彼女は、あの物語のティーポットになればいいのだ。
野獣のことを理解して、いつかカイトにとっての本物の美女が現れた時に、出来る限りのことをすればいいのである。
いつか本物の。
そう思った時には、彼女はもうカイトの部屋の前にいた。
しっかりしなきゃ。
一つ大きな深呼吸。
ずっと側にいたいんだもの。
ノックノック。
「おはようございます」
呼びかける。そんなに大きくはない声で。
ドアの向こうは無反応だ。
きっとまだ寝ているのだろう。
「失礼しま…」
カイトを起こそうと、そっとドアを開けた瞬間―― 彼女はあわや悲鳴をあげてしまいそうになった。
乱暴な態度とかきつい口調とか、怖かったし何かされるんじゃないかという不安が、最初はつきまとっていた。
けれども、それがボロボロとはげていく。
いつか見た、ディズニーの『美女と野獣』の野獣のようだった。
乱暴で。
きつい口調で。
本音が一番最後、もしくは最後まで見えない。
メイは、自分があてはめたたとえに、クスッと笑ってしまった。
あまりにピッタリだったのである。
勿論、カイトに魔法はかかっていないだろうけれども。
階段にさしかかる。
そこで、少し気分が沈んだ。
それじゃあ、私は野獣に幽閉されてる町娘なのかと思ったら、そうではなかったからだ。
何を考えてるの!
メイは、こんな自分はイヤだった。
沈む理由も必要もないはずだ。
彼女は、あの物語のティーポットになればいいのだ。
野獣のことを理解して、いつかカイトにとっての本物の美女が現れた時に、出来る限りのことをすればいいのである。
いつか本物の。
そう思った時には、彼女はもうカイトの部屋の前にいた。
しっかりしなきゃ。
一つ大きな深呼吸。
ずっと側にいたいんだもの。
ノックノック。
「おはようございます」
呼びかける。そんなに大きくはない声で。
ドアの向こうは無反応だ。
きっとまだ寝ているのだろう。
「失礼しま…」
カイトを起こそうと、そっとドアを開けた瞬間―― 彼女はあわや悲鳴をあげてしまいそうになった。