冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
クソッッ!
カイトは、その視線に耐えきれなくなった。
うめーに決まってんだろ!
叫びだしたい気持ちは、心の中で回し車のように空回りをする。
とてもじゃないが、言える言葉じゃなかったのだ。
おめーの作るもんは、何でもうまいなんて――どうして、カイトに言うことが出来ようか。
彼女が作ったということだけでも、既にすさまじい調味料なのだ。
それだけでなく、基本もちゃんとおいしい料理なのだ。
たとえ風情のない舌であったとしても、ちゃんと分かるくらいに。
メイが、だから不安そうな顔で見つめる必要はないのだ。
それをうまく伝えられない。
素直な口を、子供の頃に近所のジャングルジムに忘れてきたのだ。
今更、ジャングルジムに探しにいけなかった。
プライドとか性格とかが、ジャングルジムを夜にしてしまっているのだ。
真夜中の公園では、探し物は出来ない。
たとえ外灯があっても、虫が集まるだけで精一杯のかよわい光では、ハンカチすら探せない。
けれども、彼女は余りに心配そうだ。
がーっっっっ!!!! そんな目で、見んな!
心の中でわめきちらす。
しかし、それが相手に通じるハズもなかった。
うなりながら、椀をテーブルに戻す。
「うめぇ」
仏頂面で、身体の中から絞り出した一言。
もうこれ以上は、逆さまにして振り回されても出てこない。
なのに。
あんなに仏頂面で、本当においしいかどうかもナゾな口調で言ったというのに、メイには十分なのだ。
嬉しそうに一つ微笑んで、ようやく自分の食事に取りかかる。
クソッッ!
カイトは、その視線に耐えきれなくなった。
うめーに決まってんだろ!
叫びだしたい気持ちは、心の中で回し車のように空回りをする。
とてもじゃないが、言える言葉じゃなかったのだ。
おめーの作るもんは、何でもうまいなんて――どうして、カイトに言うことが出来ようか。
彼女が作ったということだけでも、既にすさまじい調味料なのだ。
それだけでなく、基本もちゃんとおいしい料理なのだ。
たとえ風情のない舌であったとしても、ちゃんと分かるくらいに。
メイが、だから不安そうな顔で見つめる必要はないのだ。
それをうまく伝えられない。
素直な口を、子供の頃に近所のジャングルジムに忘れてきたのだ。
今更、ジャングルジムに探しにいけなかった。
プライドとか性格とかが、ジャングルジムを夜にしてしまっているのだ。
真夜中の公園では、探し物は出来ない。
たとえ外灯があっても、虫が集まるだけで精一杯のかよわい光では、ハンカチすら探せない。
けれども、彼女は余りに心配そうだ。
がーっっっっ!!!! そんな目で、見んな!
心の中でわめきちらす。
しかし、それが相手に通じるハズもなかった。
うなりながら、椀をテーブルに戻す。
「うめぇ」
仏頂面で、身体の中から絞り出した一言。
もうこれ以上は、逆さまにして振り回されても出てこない。
なのに。
あんなに仏頂面で、本当においしいかどうかもナゾな口調で言ったというのに、メイには十分なのだ。
嬉しそうに一つ微笑んで、ようやく自分の食事に取りかかる。