冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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来た!
足音で分かったメイは、慌てて作業に取りかかった。
ご飯をお皿によそい始める。
白い湯気が、一斉に彼女の顔を襲ったが、そんなものに怯んでいるヒマはなかった。
やっと食べてもらえるのだ。
カレー鍋のフタを開けた時、カイトは再びダイニングに入ってきた。
ガタンッ。
カイトの方を見ずに作業をしていたメイは、その音に無意識ににっこり笑ってしまった。
カレー鍋の黄色い水面を眺めて、である。
それに自分の顔が映っていたら、きっと恥ずかしくなってしまっただろう。
彼が席についてくれた―― イコール食べる意思を、はっきり示してくれただけで、自分はこんなにも幸せなのだ。
あとは、怒鳴るような『うめー』という言葉さえあれば、メイは幸せになれる。
カレーをたっぷりかけて、それから彼のテーブルまで運んだ。
ちらっと表情を伺ったが、カイトはじーっとカレーを見ていた。
訝しげに見えるのは、きっと彼女の心配しすぎだろう。
やっぱり、食べてもらったことのない料理というのは、カレーであっても緊張するものなのだ。
じっとカイトがカレーを見ている間に、引き続き慌てて自分の分を用意する。
食事を一緒に取るというのが、こんな短期間で習慣づいてしまった。
やっぱり、誰かと食べる方がおいしいに決まっている。
カイトだって、誰かとの食事は嫌いではないのかもしれない。
あのシュウでは食事を同席するとも思えず、だから彼この家で食事をほとんどしなかったのではないか、とか考え始めたくらいだ。
彼女が席についたのが分かったのか、カイトはスプーンで、その黄色い高地を抉る。
スプーンを持ちながらも、メイはじっと行く末を見守った。
ぱくっ。
口に運ぶまでに一呼吸あったのは、きっと昨日の肉じゃがのせい。
そう思うと可愛く見えて、うっかり笑ってしまいそうになった。
彼が好きなカレーなのだ。
ここで合格点をもらえないと、かなりのマイナスポイントのように思えて、少し怖くなってきた。
来た!
足音で分かったメイは、慌てて作業に取りかかった。
ご飯をお皿によそい始める。
白い湯気が、一斉に彼女の顔を襲ったが、そんなものに怯んでいるヒマはなかった。
やっと食べてもらえるのだ。
カレー鍋のフタを開けた時、カイトは再びダイニングに入ってきた。
ガタンッ。
カイトの方を見ずに作業をしていたメイは、その音に無意識ににっこり笑ってしまった。
カレー鍋の黄色い水面を眺めて、である。
それに自分の顔が映っていたら、きっと恥ずかしくなってしまっただろう。
彼が席についてくれた―― イコール食べる意思を、はっきり示してくれただけで、自分はこんなにも幸せなのだ。
あとは、怒鳴るような『うめー』という言葉さえあれば、メイは幸せになれる。
カレーをたっぷりかけて、それから彼のテーブルまで運んだ。
ちらっと表情を伺ったが、カイトはじーっとカレーを見ていた。
訝しげに見えるのは、きっと彼女の心配しすぎだろう。
やっぱり、食べてもらったことのない料理というのは、カレーであっても緊張するものなのだ。
じっとカイトがカレーを見ている間に、引き続き慌てて自分の分を用意する。
食事を一緒に取るというのが、こんな短期間で習慣づいてしまった。
やっぱり、誰かと食べる方がおいしいに決まっている。
カイトだって、誰かとの食事は嫌いではないのかもしれない。
あのシュウでは食事を同席するとも思えず、だから彼この家で食事をほとんどしなかったのではないか、とか考え始めたくらいだ。
彼女が席についたのが分かったのか、カイトはスプーンで、その黄色い高地を抉る。
スプーンを持ちながらも、メイはじっと行く末を見守った。
ぱくっ。
口に運ぶまでに一呼吸あったのは、きっと昨日の肉じゃがのせい。
そう思うと可愛く見えて、うっかり笑ってしまいそうになった。
彼が好きなカレーなのだ。
ここで合格点をもらえないと、かなりのマイナスポイントのように思えて、少し怖くなってきた。