冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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きっと、夜中にカレーをたいらげたのも。
空になった鍋と、使った皿やスプーンを洗ったのも。
そうして、その洗い方がこんなにやっつけ仕事なのも。
どれもこれも、カイトそのものだった。
おなかがすいたのだろう。
カレーが残っていることを覚えていたのだろう。
だから、ここまで来て食べて行ったのだ。
カイトを想像する。
普通の彼ならきっと、お皿を洗ったりしないだろう。
鍋なんかもってのほかだ。
けれども、それを片付けるのがメイだということを知っていたカイトは、きっと負担をかけまいと洗ってくれたのである。
調理場にすすんで立って、綺麗にお皿を洗い上げる人とは思いにくい。
きっと、ガチャガチャガシガシ洗ったのだ。
よく手元も見ずに。
だから、こんな洗い残しが生まれたのだろう。
その時のカイトは、仏頂面だったに違いない。
仏頂面だったに。
いけない、いけない。
顔のゆるむ自分を叱咤するけれども無理だ。
寒い空気とは裏腹に、メイの身体の中も心の中も、どんどん温度が上がっていく。
彼が。
カイトが、夜中にここに来てまでカレーを。
彼女の作ったカレーを食べたいと思ったのだ。
それで、全部食べ尽くしてしまったのだ。
結構残っていたのに。
「どうしよう…」
どうもしなくてもいいというのに、メイは嬉しさの余りそんなことを呟いてしまった。
こんなに彼女を幸せにしてくれたカレーなんて、生まれて初めてだ。
昨日の夜から、魔法の連続である。
自分が朝ご飯を食べるには、まずお米を砥がなければならないという事実にもまだ気づけずに、メイはその皿洗い失格作品をずーっと眺めてしまったのだった。
きっと、夜中にカレーをたいらげたのも。
空になった鍋と、使った皿やスプーンを洗ったのも。
そうして、その洗い方がこんなにやっつけ仕事なのも。
どれもこれも、カイトそのものだった。
おなかがすいたのだろう。
カレーが残っていることを覚えていたのだろう。
だから、ここまで来て食べて行ったのだ。
カイトを想像する。
普通の彼ならきっと、お皿を洗ったりしないだろう。
鍋なんかもってのほかだ。
けれども、それを片付けるのがメイだということを知っていたカイトは、きっと負担をかけまいと洗ってくれたのである。
調理場にすすんで立って、綺麗にお皿を洗い上げる人とは思いにくい。
きっと、ガチャガチャガシガシ洗ったのだ。
よく手元も見ずに。
だから、こんな洗い残しが生まれたのだろう。
その時のカイトは、仏頂面だったに違いない。
仏頂面だったに。
いけない、いけない。
顔のゆるむ自分を叱咤するけれども無理だ。
寒い空気とは裏腹に、メイの身体の中も心の中も、どんどん温度が上がっていく。
彼が。
カイトが、夜中にここに来てまでカレーを。
彼女の作ったカレーを食べたいと思ったのだ。
それで、全部食べ尽くしてしまったのだ。
結構残っていたのに。
「どうしよう…」
どうもしなくてもいいというのに、メイは嬉しさの余りそんなことを呟いてしまった。
こんなに彼女を幸せにしてくれたカレーなんて、生まれて初めてだ。
昨日の夜から、魔法の連続である。
自分が朝ご飯を食べるには、まずお米を砥がなければならないという事実にもまだ気づけずに、メイはその皿洗い失格作品をずーっと眺めてしまったのだった。