冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
カレー。
思い出して、カイトはもう一段眉を寄せた。
夜中。
どうしても耐えきれずに、調理場に行ってしまったのである。
夜遅くまで起きていたせいで空腹になったのだ。
カレーが鍋に残っていたのは、ちゃんとカイトは覚えていた。
しかし、誤算があった。
一杯くらいなら食べてもバレないだろうと思っていたカイトは、しかし、食べ始めたら止まらなくなってしまったのだ。
ハッ、と気づいたら、鍋は空っぽ。
ジャーも空っぽ、という最悪の事態だったのである。
朝起きてきたメイにバレてしまうのは必至だった。
しかし、ないものを復活させることは、ゲームの中ならいざ知らず、現実社会に生きている彼には不可能なことであった。
バレても知るか!
ついにはそう開き直って、カイトはそこを出て行こうとしたが戻ってきた。
食べ終わった皿だの鍋だのが、そのままだったのである。
クソッ。
何でオレが、皿なんざ。
洗わなければならないのかと、悪態をつきながらも、カイトはじゃぶじゃぶ洗い始めた。
しかし、カレーがこびりついていて、そのままでは綺麗にならない。
そこらに置いてあった洗剤をぶっかけて、またじゃかじゃか洗う。
イモを洗うのだって、普通の人はもっと丁寧にやるだろうが、彼はしょうがなくやっているに過ぎないのだ。
そこまで気を回せるハズもなかった。
汚れたまま置いていけば、メイがまた後かたづけをしなければならないのだ。
こんな、冷たい水で。
台所回りについて、まったく頓着したことがなかった。
だから、ここの蛇口から水しか出ないということを知らなかったのである。
ガスともつながってないし、湯沸かし器もないのだ。
元々新築だったワケではない。
一応、自分の生活する辺りは、いろいろ手を入れて改造はしたけれども、使うアテなどほとんどない調理場には何もしなかったのだ。
カレー。
思い出して、カイトはもう一段眉を寄せた。
夜中。
どうしても耐えきれずに、調理場に行ってしまったのである。
夜遅くまで起きていたせいで空腹になったのだ。
カレーが鍋に残っていたのは、ちゃんとカイトは覚えていた。
しかし、誤算があった。
一杯くらいなら食べてもバレないだろうと思っていたカイトは、しかし、食べ始めたら止まらなくなってしまったのだ。
ハッ、と気づいたら、鍋は空っぽ。
ジャーも空っぽ、という最悪の事態だったのである。
朝起きてきたメイにバレてしまうのは必至だった。
しかし、ないものを復活させることは、ゲームの中ならいざ知らず、現実社会に生きている彼には不可能なことであった。
バレても知るか!
ついにはそう開き直って、カイトはそこを出て行こうとしたが戻ってきた。
食べ終わった皿だの鍋だのが、そのままだったのである。
クソッ。
何でオレが、皿なんざ。
洗わなければならないのかと、悪態をつきながらも、カイトはじゃぶじゃぶ洗い始めた。
しかし、カレーがこびりついていて、そのままでは綺麗にならない。
そこらに置いてあった洗剤をぶっかけて、またじゃかじゃか洗う。
イモを洗うのだって、普通の人はもっと丁寧にやるだろうが、彼はしょうがなくやっているに過ぎないのだ。
そこまで気を回せるハズもなかった。
汚れたまま置いていけば、メイがまた後かたづけをしなければならないのだ。
こんな、冷たい水で。
台所回りについて、まったく頓着したことがなかった。
だから、ここの蛇口から水しか出ないということを知らなかったのである。
ガスともつながってないし、湯沸かし器もないのだ。
元々新築だったワケではない。
一応、自分の生活する辺りは、いろいろ手を入れて改造はしたけれども、使うアテなどほとんどない調理場には何もしなかったのだ。