冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
ちょうど。
すとん。
スリップを、床に落とすところだった。
彼女の身体をなぞるように、白い軌跡が視線を縦によぎっていく。
綺麗な白い背中。
上下の下着だけの、もうほとんど全裸と言っても過言ではないほどの、小さな下着が二つだけのメイの後ろ姿だ。
カイトは硬直した。
メイの指が。
その上の下着とやらについている、背中の留め金にかかったからである。
窮屈な角度で、でも指先は確実に任務を遂行しようとしていた。
ハッ!
カイトは頭の中の警報が聞こえた。
「バッ! バカ野郎! 誰がそこまで脱げっつった!」
ジャッッッ!
対メイ用セーフティの、大きなジッパーが一気に閉じられた合図だった。
キレていた時の怒りがすっ飛んで、彼女にそれ以上の行動を止めさせるという緊急用モードに変更されたのだ。
「え?」
止まった指。
肩越しに振り返るメイの目――と、ばちっと視線がぶつかってしまう。
カァっと血が巡った。
キレがすっ飛んでしまったカイトは、ようやく今が、とんでもない事態であることに気づいたのである。
彼女にその服を脱がせたかったとは言え、こんなところまで乗り込んで、脱げと命令した自分を、初めて一瞬だけ客観的に見てしまったのだ。
いわゆる。
我に返るというヤツである。
彼女のセミヌードを見るまで、頭に血が昇りきっていたのだ。
ちょうど。
すとん。
スリップを、床に落とすところだった。
彼女の身体をなぞるように、白い軌跡が視線を縦によぎっていく。
綺麗な白い背中。
上下の下着だけの、もうほとんど全裸と言っても過言ではないほどの、小さな下着が二つだけのメイの後ろ姿だ。
カイトは硬直した。
メイの指が。
その上の下着とやらについている、背中の留め金にかかったからである。
窮屈な角度で、でも指先は確実に任務を遂行しようとしていた。
ハッ!
カイトは頭の中の警報が聞こえた。
「バッ! バカ野郎! 誰がそこまで脱げっつった!」
ジャッッッ!
対メイ用セーフティの、大きなジッパーが一気に閉じられた合図だった。
キレていた時の怒りがすっ飛んで、彼女にそれ以上の行動を止めさせるという緊急用モードに変更されたのだ。
「え?」
止まった指。
肩越しに振り返るメイの目――と、ばちっと視線がぶつかってしまう。
カァっと血が巡った。
キレがすっ飛んでしまったカイトは、ようやく今が、とんでもない事態であることに気づいたのである。
彼女にその服を脱がせたかったとは言え、こんなところまで乗り込んで、脱げと命令した自分を、初めて一瞬だけ客観的に見てしまったのだ。
いわゆる。
我に返るというヤツである。
彼女のセミヌードを見るまで、頭に血が昇りきっていたのだ。