冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
あ。
犯人もその犯行経過も、火を見るより明らかである。
カイトが、それをそこに突っ込んだのだ。
後で、こっそり拾っておかなくちゃ。
カイトの前では、絶対に着られない衣装であることは分かったけれども、彼女にとっては必要なものであった。
ごめんなさい。
彼の部屋のドアに、ちょっとだけ頭を下げて―― ほとぼりが冷めた頃に回収しようと、心に誓ったのだった。
階段を降りると、車の音が聞こえた。
あれ?
この家には、車は一台しかない。もう一台はバイクだ。
車は、朝多分シュウという人が乗って出ていったのだろう。
ガレージを見た時には、もうなかったから。
お客様かしら、と思いながら階段を降りている。
調理場の方に行こうかどうしようかと、うろうろしていると、そのうち勝手にドアが開いた。
目が合う。
シュウだった。
茶封筒を持ったまま、彼は一度足を止める。
「あ、お帰りなさい」
土曜日でお休みの日とは言え、こんなに早く帰ってくるとは思わなかった。
けれども、さっきのあの騒ぎを見られなくて本当によかったと、ほっと胸をなで下ろす。
彼は、しかし大きな注意を払うことはなく、そのまま自分の部屋の方に行ってしまった。
あ。
メイは、ぱっと視線を彼に向けた。まだ背中が見える。
「あの!」
勇気を振り絞って声をかけると、シュウは自分のことだと分かったのか足を止めた。
あ。
犯人もその犯行経過も、火を見るより明らかである。
カイトが、それをそこに突っ込んだのだ。
後で、こっそり拾っておかなくちゃ。
カイトの前では、絶対に着られない衣装であることは分かったけれども、彼女にとっては必要なものであった。
ごめんなさい。
彼の部屋のドアに、ちょっとだけ頭を下げて―― ほとぼりが冷めた頃に回収しようと、心に誓ったのだった。
階段を降りると、車の音が聞こえた。
あれ?
この家には、車は一台しかない。もう一台はバイクだ。
車は、朝多分シュウという人が乗って出ていったのだろう。
ガレージを見た時には、もうなかったから。
お客様かしら、と思いながら階段を降りている。
調理場の方に行こうかどうしようかと、うろうろしていると、そのうち勝手にドアが開いた。
目が合う。
シュウだった。
茶封筒を持ったまま、彼は一度足を止める。
「あ、お帰りなさい」
土曜日でお休みの日とは言え、こんなに早く帰ってくるとは思わなかった。
けれども、さっきのあの騒ぎを見られなくて本当によかったと、ほっと胸をなで下ろす。
彼は、しかし大きな注意を払うことはなく、そのまま自分の部屋の方に行ってしまった。
あ。
メイは、ぱっと視線を彼に向けた。まだ背中が見える。
「あの!」
勇気を振り絞って声をかけると、シュウは自分のことだと分かったのか足を止めた。