冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
待て。
意味は分からないが、イヤな予感がする。
まったく自分の意図していない方向に、話が進んでいるような気がするのだ。
「明日から…もっとおいしいご飯を作れるように頑張ります」
ぽつっ。
ま、待てー!!!!
カイトは目を見開いた。
イヤな予感的中である。とんでもない話になってしまった。
明日から…もっと…何だと?
イヤ、分かった。
もう分かった。
繰り返すまでもない。
いままでの彼女の料理に、不満を抱いている―― そう思われたのだ。
だから、本当においしいものを食べさせることで、それを暗に示そうとしたのだと。
『分かった』などと言っているが、全然分かっちゃいなかった。
とんでもない濡れ衣である。
あの料亭の料理の味を、カイトはマズイと思ったのだ。メイの料理に比べたら。
そんな彼に向かって、何ということを言うのか。
きゅーっと、頭の中の温度メーターが急騰する。
「おいしいご飯を作れるようになりますから…だから、何もするななんて言わないで下さい」
ヤメロ。
もう、何も言うな。
クソッ。
バカヤロウ。
何で分かんねーんだ。オレがこんなに!
「オレぁ!」
カイトは、車内で大きな声を張り上げた。
わんっ、と反響するくらいに。
彼女の身体が、ビクッとそれに反応して。
「今日の夕メシほどマズイと思ったもんはねぇ! もう、二度とあの店には行かねぇ!」
一息で怒鳴る。
語尾の二つの「ねぇ」に、一番強く力を込めて跳ね上げる。
待て。
意味は分からないが、イヤな予感がする。
まったく自分の意図していない方向に、話が進んでいるような気がするのだ。
「明日から…もっとおいしいご飯を作れるように頑張ります」
ぽつっ。
ま、待てー!!!!
カイトは目を見開いた。
イヤな予感的中である。とんでもない話になってしまった。
明日から…もっと…何だと?
イヤ、分かった。
もう分かった。
繰り返すまでもない。
いままでの彼女の料理に、不満を抱いている―― そう思われたのだ。
だから、本当においしいものを食べさせることで、それを暗に示そうとしたのだと。
『分かった』などと言っているが、全然分かっちゃいなかった。
とんでもない濡れ衣である。
あの料亭の料理の味を、カイトはマズイと思ったのだ。メイの料理に比べたら。
そんな彼に向かって、何ということを言うのか。
きゅーっと、頭の中の温度メーターが急騰する。
「おいしいご飯を作れるようになりますから…だから、何もするななんて言わないで下さい」
ヤメロ。
もう、何も言うな。
クソッ。
バカヤロウ。
何で分かんねーんだ。オレがこんなに!
「オレぁ!」
カイトは、車内で大きな声を張り上げた。
わんっ、と反響するくらいに。
彼女の身体が、ビクッとそれに反応して。
「今日の夕メシほどマズイと思ったもんはねぇ! もう、二度とあの店には行かねぇ!」
一息で怒鳴る。
語尾の二つの「ねぇ」に、一番強く力を込めて跳ね上げる。