冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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「メシの最中だ」
出て行けと言わんばかりのささくれだった声で、カイトは凄んだ。
メイの方からどんな表情かは見えないが、おそらく間違いなく睨んでいるだろう。
「あら…」
ハルコが、目を輝かせた。
「おや…」
ソウマが、眉を上げた。
「お弁当がついてるぞ」
「お弁当がついてるわよ」
夫婦、2人同時の発言だった。
ああー!
メイは、きゃーっっと心の中で悲鳴をあげた。
彼女が戸惑ってしまったせいで、カイトがハジをかいてしまったのである。
しかし、それだけじゃ済まなかった。
分かっていないようなカイトの顔に手を伸ばしたソウマが、そのご飯つぶを取ってしまったのである。
ぱくっと。
カイトの背中は―― 硬直した。
「ああ…うまいメシを食わせてもらってるじゃないか」
羨ましい限りだ、と軽やかに笑うソウマ。
「まあ、ソウマったら…」
夫の方を、『困った人なんだから』という目で。
しかし、楽しそうだった。
「か…」
カイトの声は、地の底から響くようなものだった。
メイは、ギクリとした。
イヤな予感がしたのだ。
反射的に、背もたれの方に身体を引いて身構えてしまう。
「帰れー!!!!!」
窓ガラスが、ビリッと震えるくらいの大声だった。
ギリギリのタイミングで―― メイは、耳をふさぐことが出来た。
「メシの最中だ」
出て行けと言わんばかりのささくれだった声で、カイトは凄んだ。
メイの方からどんな表情かは見えないが、おそらく間違いなく睨んでいるだろう。
「あら…」
ハルコが、目を輝かせた。
「おや…」
ソウマが、眉を上げた。
「お弁当がついてるぞ」
「お弁当がついてるわよ」
夫婦、2人同時の発言だった。
ああー!
メイは、きゃーっっと心の中で悲鳴をあげた。
彼女が戸惑ってしまったせいで、カイトがハジをかいてしまったのである。
しかし、それだけじゃ済まなかった。
分かっていないようなカイトの顔に手を伸ばしたソウマが、そのご飯つぶを取ってしまったのである。
ぱくっと。
カイトの背中は―― 硬直した。
「ああ…うまいメシを食わせてもらってるじゃないか」
羨ましい限りだ、と軽やかに笑うソウマ。
「まあ、ソウマったら…」
夫の方を、『困った人なんだから』という目で。
しかし、楽しそうだった。
「か…」
カイトの声は、地の底から響くようなものだった。
メイは、ギクリとした。
イヤな予感がしたのだ。
反射的に、背もたれの方に身体を引いて身構えてしまう。
「帰れー!!!!!」
窓ガラスが、ビリッと震えるくらいの大声だった。
ギリギリのタイミングで―― メイは、耳をふさぐことが出来た。