冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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「クソッ……!」
しかし、聞こえたのは彼のそんなセリフ。
また、彼は苛立っていた。
メイは身動きもせずに、その声を聞く。
バサッ、ギシギシッ。
そうして。
え?
目を見開いた。
いきなり、毛布が元に戻されて、ベッドから体重が消えたからである。
びっくりして、慌てて寝返りを打った。
カイトの方を見ようとしたのだ。
彼は、何かを持ったままベッドから遠ざかるところだった。
カイトは。
着替えもしない身体で――そのままソファにひっくり返ったのだ。
あれ?
メイが、その事実の意味を考えようとした時。
カイトの手が、持っていたリモコンのようなものを操作した。
途端。
真っ暗に――なる。
いきなり暗くなったせいで、メイは何も目が利かなくなった。
え?
あ?
何で?
何で、彼はソファに転がったのだろう。電気が消えたのだろう。
頭の中に、その疑問が駆け抜ける。
ソファで――寝ちゃうの?
チン!
とりあえず出てきた答えに、自分でビックリしてしまう。
ベッドに入ろうとしたのは事実だ。
なのに、彼はそうせず、ソファに行ってしまった。
そ、そんなの……ダメ!
メイは、ガバッと起きあがった。
見えないくせに、ソファの方をじっと見つめる。
「あ……あのっ!」
この状況は、何か間違っている。
メイじゃなくたって、それは分かった。
間違い探しどころじゃない。間違いだらけだ。
何で自分が、この広いベッドを占領しているのか。
何で彼がソファで寝ようとしているのか。
「るせー……とっとと寝ろ!」
しかし、間髪入れずに返ってきた言葉は、乱暴で言い放つようなものだった。
「え……でも……」
寝ろって。
寝ろ?
寝る。
寝れば。
寝る時。
寝よう。
もしかして。
寝ろって言ったのは――最初に、彼女にそう命令したのは。
『おやすみ』ってコトだったの?
ドンガラガッシャーン。
頭の中で、自分の考えていた全ての窓が打ち割られていくのを感じた。
「クソッ……!」
しかし、聞こえたのは彼のそんなセリフ。
また、彼は苛立っていた。
メイは身動きもせずに、その声を聞く。
バサッ、ギシギシッ。
そうして。
え?
目を見開いた。
いきなり、毛布が元に戻されて、ベッドから体重が消えたからである。
びっくりして、慌てて寝返りを打った。
カイトの方を見ようとしたのだ。
彼は、何かを持ったままベッドから遠ざかるところだった。
カイトは。
着替えもしない身体で――そのままソファにひっくり返ったのだ。
あれ?
メイが、その事実の意味を考えようとした時。
カイトの手が、持っていたリモコンのようなものを操作した。
途端。
真っ暗に――なる。
いきなり暗くなったせいで、メイは何も目が利かなくなった。
え?
あ?
何で?
何で、彼はソファに転がったのだろう。電気が消えたのだろう。
頭の中に、その疑問が駆け抜ける。
ソファで――寝ちゃうの?
チン!
とりあえず出てきた答えに、自分でビックリしてしまう。
ベッドに入ろうとしたのは事実だ。
なのに、彼はそうせず、ソファに行ってしまった。
そ、そんなの……ダメ!
メイは、ガバッと起きあがった。
見えないくせに、ソファの方をじっと見つめる。
「あ……あのっ!」
この状況は、何か間違っている。
メイじゃなくたって、それは分かった。
間違い探しどころじゃない。間違いだらけだ。
何で自分が、この広いベッドを占領しているのか。
何で彼がソファで寝ようとしているのか。
「るせー……とっとと寝ろ!」
しかし、間髪入れずに返ってきた言葉は、乱暴で言い放つようなものだった。
「え……でも……」
寝ろって。
寝ろ?
寝る。
寝れば。
寝る時。
寝よう。
もしかして。
寝ろって言ったのは――最初に、彼女にそう命令したのは。
『おやすみ』ってコトだったの?
ドンガラガッシャーン。
頭の中で、自分の考えていた全ての窓が打ち割られていくのを感じた。