冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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前に見たのは、ソウマとハルコの結婚式の時である。
何で呼んだんだと、そりゃあもうカイトは新郎と新婦に詰め寄ったものだった。
『あら、そんなに毛嫌いするほど悪い人じゃないわよ』
などと気楽なことを言われたが、それは素行がマシな人間にとっては、だろう。
もしくは、アオイの言葉を笑って受け流せるかどうか。
カイトは。
いちいちカチンと来て、噛みついてしまうのである。
大体、向こうが近付いてさえこなければ噛みつく労力もいらないのだが、わざわざあの結婚式の時でも近付いてきては、クドクドと説教たれたのである。
結婚式から、速攻で逃亡した記憶しか残っていなかった。
あれが最後だと信じて疑っていなかったというのに、また出てきたのだ。
更にイライラして、またタバコに火をつけた。
しかし、ダメだ。
頭の中には、メイがあんな顔で残っているし、それを邪魔するように思い出したくもない教授の顔がチラつくのである。
物凄い邪魔だった。
カイトは席を立った。
書類のチェックでは、決してその二つを払拭できないことを知っていたのだ。
「どちらへ?」
ドアを出ると、たまにしか聞かない秘書の肉声を聞くことが出来る。
別に聞きたくはないのだが。
「開発室だ」
言葉はそれだけでよかった。
もう、後方からは続けて言葉はこなかったし、答える気もない。
大股で、カイトはオモチャ箱へと急いだのだった。
前に見たのは、ソウマとハルコの結婚式の時である。
何で呼んだんだと、そりゃあもうカイトは新郎と新婦に詰め寄ったものだった。
『あら、そんなに毛嫌いするほど悪い人じゃないわよ』
などと気楽なことを言われたが、それは素行がマシな人間にとっては、だろう。
もしくは、アオイの言葉を笑って受け流せるかどうか。
カイトは。
いちいちカチンと来て、噛みついてしまうのである。
大体、向こうが近付いてさえこなければ噛みつく労力もいらないのだが、わざわざあの結婚式の時でも近付いてきては、クドクドと説教たれたのである。
結婚式から、速攻で逃亡した記憶しか残っていなかった。
あれが最後だと信じて疑っていなかったというのに、また出てきたのだ。
更にイライラして、またタバコに火をつけた。
しかし、ダメだ。
頭の中には、メイがあんな顔で残っているし、それを邪魔するように思い出したくもない教授の顔がチラつくのである。
物凄い邪魔だった。
カイトは席を立った。
書類のチェックでは、決してその二つを払拭できないことを知っていたのだ。
「どちらへ?」
ドアを出ると、たまにしか聞かない秘書の肉声を聞くことが出来る。
別に聞きたくはないのだが。
「開発室だ」
言葉はそれだけでよかった。
もう、後方からは続けて言葉はこなかったし、答える気もない。
大股で、カイトはオモチャ箱へと急いだのだった。