冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
「出てけ」
にべもなく言った。
彼の話は、もう一切したくなかったのである。
忌々しい教授の名前も、ツラも思い出したくなかった。
その上、何をフザケたか『見合い』と来たものだ。
これ以上、カイトがキレない内に、おとなしく書類仕事をしている内に、出ていくのが得策だ。
「社長が、詳細も聞かれずに電話を切られたそうで、私の方に詳しい話が回って参りました。相手の方は…!」
シャッッ!
シュウは、黙らなかった。
出てもいかなかった。
その眼鏡の向こうの目が、驚いたのが分かった。
当然だ。
カイトは、一番上の書類をひっつかむなり、勢いよく二つに裂いたのだから。
「社長…」
その所業に、シュウは眉を顰める。
まだいやがる気か!
シャッッ!
カイトは二枚目の書類も裂いた。
ようやく。
シュウは、その件の話をするのが不可能だと分かったのだろう。
ため息を一つついて、裂かれた書類を受け取ると、無言のまま出て行ったのだった。
クソッ。
残り全部裂いてしまえばよかったと思うくらいムカムカしながら、カイトはまず頭を冷やすことから始めなければならなかった。
頭に来すぎて、全然書類の文字が目に入ってこないせいだ。
何が見合いだ! 結婚だ!
どいつもこいつもヌルい頭しやがって。
シュウのロボットまで、何を言いやがる!
おかげで―― 仕事は長引く一方だった。
「出てけ」
にべもなく言った。
彼の話は、もう一切したくなかったのである。
忌々しい教授の名前も、ツラも思い出したくなかった。
その上、何をフザケたか『見合い』と来たものだ。
これ以上、カイトがキレない内に、おとなしく書類仕事をしている内に、出ていくのが得策だ。
「社長が、詳細も聞かれずに電話を切られたそうで、私の方に詳しい話が回って参りました。相手の方は…!」
シャッッ!
シュウは、黙らなかった。
出てもいかなかった。
その眼鏡の向こうの目が、驚いたのが分かった。
当然だ。
カイトは、一番上の書類をひっつかむなり、勢いよく二つに裂いたのだから。
「社長…」
その所業に、シュウは眉を顰める。
まだいやがる気か!
シャッッ!
カイトは二枚目の書類も裂いた。
ようやく。
シュウは、その件の話をするのが不可能だと分かったのだろう。
ため息を一つついて、裂かれた書類を受け取ると、無言のまま出て行ったのだった。
クソッ。
残り全部裂いてしまえばよかったと思うくらいムカムカしながら、カイトはまず頭を冷やすことから始めなければならなかった。
頭に来すぎて、全然書類の文字が目に入ってこないせいだ。
何が見合いだ! 結婚だ!
どいつもこいつもヌルい頭しやがって。
シュウのロボットまで、何を言いやがる!
おかげで―― 仕事は長引く一方だった。