冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
まさか、いきなり怒鳴られると思っていなかったらしく、びっくりしたメイが、トレイの上の陶器をガチャッと鳴らした。
どうしたらいいか分からない顔で、シュウと彼を見比べるのである。
そいつの言うことなんか聞く必要はねぇ!
シュウとの間で揺れ動かれると、余計に怒りが倍増するのだ。
「私がお願いしました」
しかし、彼の方は全然悪びれる様子はない。
カイトの怒鳴りを緩和させようという気だろうが、役目は全然果たしていなかった。
「んなこたぁ、最初から分かってんだよ! おめーは、こいつにそんなことを言う権利なんかねーんだ!」
アオイへの怒りも忘れて、眼鏡野郎に指を突きつける。
何かカンチガイしているなら許さねぇ、くらいの怒りを込めて。
きっとシュウは、女性だから頼んだに過ぎないのだろう。
会社で秘書に来客用のお茶をお願いするくらいの気持ちで。
それすら、カイトには許せなかっただけなのだ。
こいつは、こいつは!
メイは、カイトにとっては。
「大の男が、何を使用人のことで騒いでいる」
しかし。
この2人のやりとりに、顔を顰めたアオイが口を挟んだ。
カイトの息が――凍った。
まさか、いきなり怒鳴られると思っていなかったらしく、びっくりしたメイが、トレイの上の陶器をガチャッと鳴らした。
どうしたらいいか分からない顔で、シュウと彼を見比べるのである。
そいつの言うことなんか聞く必要はねぇ!
シュウとの間で揺れ動かれると、余計に怒りが倍増するのだ。
「私がお願いしました」
しかし、彼の方は全然悪びれる様子はない。
カイトの怒鳴りを緩和させようという気だろうが、役目は全然果たしていなかった。
「んなこたぁ、最初から分かってんだよ! おめーは、こいつにそんなことを言う権利なんかねーんだ!」
アオイへの怒りも忘れて、眼鏡野郎に指を突きつける。
何かカンチガイしているなら許さねぇ、くらいの怒りを込めて。
きっとシュウは、女性だから頼んだに過ぎないのだろう。
会社で秘書に来客用のお茶をお願いするくらいの気持ちで。
それすら、カイトには許せなかっただけなのだ。
こいつは、こいつは!
メイは、カイトにとっては。
「大の男が、何を使用人のことで騒いでいる」
しかし。
この2人のやりとりに、顔を顰めたアオイが口を挟んだ。
カイトの息が――凍った。