冬うらら~猫と起爆スイッチ~
☆
電話でシュウと話した時、『私だったら、結婚しますが』と彼は言ったのである。
それならお前が結婚しろ、と思ったが、きっと相手の女性も幸せにはなれないだろう。
シュウの表現でいけば、まるで札束と結婚するようなものなのだから。
とにかく、アオイの話を一番歓迎していたのはシュウだ。
だから、わざわざお茶まで用意させようとしたのである。
不測の事態の連続に、ソウマの予定は全部メチャクチャになった。
「オレは、もう知らんぞ…付き合いきれん」
したたかコーヒーを眺めた後、ぼそっとそう言った。
半分は本気だったが、もう半分は言葉通りには出来ないだろうと分かっていたけれども。
「あなたったら…」
そんな彼のことを、理解しているのだろう。
ハルコが、苦笑しながら隣に座ってきた。
「きっと大丈夫よ…うまくゆくわ。あんなに思い合っているんですもの…ね?」
「カイトが片っ端からブチ壊してるのに、いつまで彼女が我慢してくれるか…」
妻の笑顔になだめられても、今日のソウマはまだ立ち直れそうになかった。
電話でシュウと話した時、『私だったら、結婚しますが』と彼は言ったのである。
それならお前が結婚しろ、と思ったが、きっと相手の女性も幸せにはなれないだろう。
シュウの表現でいけば、まるで札束と結婚するようなものなのだから。
とにかく、アオイの話を一番歓迎していたのはシュウだ。
だから、わざわざお茶まで用意させようとしたのである。
不測の事態の連続に、ソウマの予定は全部メチャクチャになった。
「オレは、もう知らんぞ…付き合いきれん」
したたかコーヒーを眺めた後、ぼそっとそう言った。
半分は本気だったが、もう半分は言葉通りには出来ないだろうと分かっていたけれども。
「あなたったら…」
そんな彼のことを、理解しているのだろう。
ハルコが、苦笑しながら隣に座ってきた。
「きっと大丈夫よ…うまくゆくわ。あんなに思い合っているんですもの…ね?」
「カイトが片っ端からブチ壊してるのに、いつまで彼女が我慢してくれるか…」
妻の笑顔になだめられても、今日のソウマはまだ立ち直れそうになかった。