冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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帰って来て、米を調理場に放り込む。
こうしておけば、いやでもメイが気づくだろうと思ったのである。
本当は気づかれたくなかった。
どう見ても、カイトが買って来たことがバレるだろうからだ。
しかし、見つけてもらわなければ、この米の意味がない。
不承不承、諦めて部屋に戻ろうとした。
が。
まさか自分の部屋の前に、メイが立っているとは思わなかった。
彼女の存在を確認した瞬間、ギクリとする。
悪さをしてきた子供のような気分だった。
彼が、米を買いにいったことを、知られたような気がした。
しかし、彼女が持っていたのはお茶だったのだ。
お茶しませんか?――Shall We Tea? と来たものだ。
カイトの習慣に、そんなものはなかった。
お茶を飲みたければ、勝手に各自で飲むような生活ばかりしていたせいで、誰かとお茶の時間を共有するという感覚は不慣れだったのだ。
こういうのが得意なのは、ソウマ夫婦だろう。
しかし、彼らはここにはいない。
わざわざ彼女がお茶をいれてくれたのである。
二つのマグカップがトレイに乗っているのを見た時、心が騒いだ。
ドアを開けて入る。
心は戸惑ったままだった。
米のことがバレていないのはいいことではあったが、まだ彼女の意図が掴めなかったのだ。
何か大事な話でもあるのでは。
イヤな予感が掠める。
そういう考えになると、すぐにメイが『出ていく』という言葉がよぎるのだ。
しかし、彼の手でドアを閉ざして、二人ソファに座る時になると、いつもの夕食のような気分になった。
メイが恐ろしいことを切り出す様子はない。
本当に、ただのお茶にを誘ったのだ。
その事実は、カイトの心の中に風を生んで、波を立たせた。
彼女にとっては何気ないことであったとしても、彼にとっては特別な時間のように思えたのだ。
ただ、カイトは失敗をしてしまった。
帰って来て、米を調理場に放り込む。
こうしておけば、いやでもメイが気づくだろうと思ったのである。
本当は気づかれたくなかった。
どう見ても、カイトが買って来たことがバレるだろうからだ。
しかし、見つけてもらわなければ、この米の意味がない。
不承不承、諦めて部屋に戻ろうとした。
が。
まさか自分の部屋の前に、メイが立っているとは思わなかった。
彼女の存在を確認した瞬間、ギクリとする。
悪さをしてきた子供のような気分だった。
彼が、米を買いにいったことを、知られたような気がした。
しかし、彼女が持っていたのはお茶だったのだ。
お茶しませんか?――Shall We Tea? と来たものだ。
カイトの習慣に、そんなものはなかった。
お茶を飲みたければ、勝手に各自で飲むような生活ばかりしていたせいで、誰かとお茶の時間を共有するという感覚は不慣れだったのだ。
こういうのが得意なのは、ソウマ夫婦だろう。
しかし、彼らはここにはいない。
わざわざ彼女がお茶をいれてくれたのである。
二つのマグカップがトレイに乗っているのを見た時、心が騒いだ。
ドアを開けて入る。
心は戸惑ったままだった。
米のことがバレていないのはいいことではあったが、まだ彼女の意図が掴めなかったのだ。
何か大事な話でもあるのでは。
イヤな予感が掠める。
そういう考えになると、すぐにメイが『出ていく』という言葉がよぎるのだ。
しかし、彼の手でドアを閉ざして、二人ソファに座る時になると、いつもの夕食のような気分になった。
メイが恐ろしいことを切り出す様子はない。
本当に、ただのお茶にを誘ったのだ。
その事実は、カイトの心の中に風を生んで、波を立たせた。
彼女にとっては何気ないことであったとしても、彼にとっては特別な時間のように思えたのだ。
ただ、カイトは失敗をしてしまった。