冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
ドアを開けると、既に半数以上の会社の偉いさんが雁首揃えていた。
ざわざわと騒がしいのは、お互いの会社の腹の内側を探るため、挨拶などを交わし合ってるせいだ。
ゲーム会社には、大きく分けて2種類ある。
老舗も老舗の古参連中か、資本金などほとんどナシの状態で、数人のブレインの力でぽっと出てきた連中だ。
元々大名だった連中か、下克上よろしくのし上がって来た連中か、ということである。
今日は、前者はほとんどいない。
後者ばかりの会議と言っても過言ではなかった。
カイトの会社は、この中でもかなり大きい方だ。
古参がいないと、ありがたいことがあった。
社長クラスに、いかめしいジジィが少ないのである。ついでに、脂ぎったジジィも。
年齢も30~40が平均と言ったところだ。
別に誰と話をするワケでもなく、彼は用意されている席にどかっと座った。
名刺を交わし合ったり、「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」という会話を交わす気には、到底なれなかったのだ。
「おや? これはこれは…鋼南さんじゃないか」
しかし、ずっと放っておかれるのは難しかった。
聞き覚えのある声だ。カイトは、目を半目にした。
聞こえないフリをして、振り返りもするまいと思ったのだ。
「これは、F・カンパニーの…」
代わりに対応しているのは、シュウだ。
カイトが彼のことを嫌っているのを知っているのである。
ちらりと見ると、女の秘書を3人も連れていた。
こういうことをしているのは、業界の中でもこの会社だけだった。
ギャルゲーの王者。
ゲーム雑誌のレビューでは、いつも大きく取り上げられている。
いま流行のゲームでもあった。
ドアを開けると、既に半数以上の会社の偉いさんが雁首揃えていた。
ざわざわと騒がしいのは、お互いの会社の腹の内側を探るため、挨拶などを交わし合ってるせいだ。
ゲーム会社には、大きく分けて2種類ある。
老舗も老舗の古参連中か、資本金などほとんどナシの状態で、数人のブレインの力でぽっと出てきた連中だ。
元々大名だった連中か、下克上よろしくのし上がって来た連中か、ということである。
今日は、前者はほとんどいない。
後者ばかりの会議と言っても過言ではなかった。
カイトの会社は、この中でもかなり大きい方だ。
古参がいないと、ありがたいことがあった。
社長クラスに、いかめしいジジィが少ないのである。ついでに、脂ぎったジジィも。
年齢も30~40が平均と言ったところだ。
別に誰と話をするワケでもなく、彼は用意されている席にどかっと座った。
名刺を交わし合ったり、「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」という会話を交わす気には、到底なれなかったのだ。
「おや? これはこれは…鋼南さんじゃないか」
しかし、ずっと放っておかれるのは難しかった。
聞き覚えのある声だ。カイトは、目を半目にした。
聞こえないフリをして、振り返りもするまいと思ったのだ。
「これは、F・カンパニーの…」
代わりに対応しているのは、シュウだ。
カイトが彼のことを嫌っているのを知っているのである。
ちらりと見ると、女の秘書を3人も連れていた。
こういうことをしているのは、業界の中でもこの会社だけだった。
ギャルゲーの王者。
ゲーム雑誌のレビューでは、いつも大きく取り上げられている。
いま流行のゲームでもあった。