冬うらら~猫と起爆スイッチ~
●
え?
「服でも何でも買え…」
横に逃げている目はそのままで、カイトは唸るように復唱した。
今度は、もう少し飾りをつけて。
「あ…でも、それじゃあ…その、クリスマスパーティに…」
メイの言葉は最後は消えた。
クリスマスパーティに行くんですか?
そう聞きたかったのだ。
カイトは、本当は行きたくないのではないかと思っていた。
でも、もし本当に行くというのならば―― いままでメイが持っている服だけでは、彼に見劣りするというのなら、考えなければならなかった。
ハルコは、気楽に誘ったけれども、もしかしたら本格的なパーティで、彼女の持っているワンピースごときでは、凄く恥ずかしい思いをするのだろうか、とか。
でも。
カイトが、パーティを好きな人には思えなかった。
行かないのなら、服の心配をする必要はない。
メイは、クリスマスの夜にちょっとご馳走を作ろうか、くらいの心配をしていればいいのだ。
彼の眉が寄る。
やはり行く気はないのだろう。
そう判断しようとした。
カイトが唸る。まるで動物みたいに、一回うーっと、本当に唸った。
「行く…」
そう、ほら、やっぱり行かないと―― え?
メイは、耳が予測した答えと違うものが帰ってきて、一瞬混乱した。
彼を見る。
「行くっつってんだろ…だから…」
その先の言葉はなかった。
でも、分かった。
頭の中が、分かった言葉をわざわざカイトの声で再現した。
『だから…服を買ってこい』、と。
え?
「服でも何でも買え…」
横に逃げている目はそのままで、カイトは唸るように復唱した。
今度は、もう少し飾りをつけて。
「あ…でも、それじゃあ…その、クリスマスパーティに…」
メイの言葉は最後は消えた。
クリスマスパーティに行くんですか?
そう聞きたかったのだ。
カイトは、本当は行きたくないのではないかと思っていた。
でも、もし本当に行くというのならば―― いままでメイが持っている服だけでは、彼に見劣りするというのなら、考えなければならなかった。
ハルコは、気楽に誘ったけれども、もしかしたら本格的なパーティで、彼女の持っているワンピースごときでは、凄く恥ずかしい思いをするのだろうか、とか。
でも。
カイトが、パーティを好きな人には思えなかった。
行かないのなら、服の心配をする必要はない。
メイは、クリスマスの夜にちょっとご馳走を作ろうか、くらいの心配をしていればいいのだ。
彼の眉が寄る。
やはり行く気はないのだろう。
そう判断しようとした。
カイトが唸る。まるで動物みたいに、一回うーっと、本当に唸った。
「行く…」
そう、ほら、やっぱり行かないと―― え?
メイは、耳が予測した答えと違うものが帰ってきて、一瞬混乱した。
彼を見る。
「行くっつってんだろ…だから…」
その先の言葉はなかった。
でも、分かった。
頭の中が、分かった言葉をわざわざカイトの声で再現した。
『だから…服を買ってこい』、と。