冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□
「あの…いらっしゃいます?」
ドアがノックされて目が覚めた。
本当に、あのまま眠ってしまったらしい。
一体どのくらい寝たのか分からなかった。
ぼーっとする頭を、しかし、まだ上げられなかった。同じ状態で転がったままだ。
部屋は既に暗い。
そんな時、ドアが開いた。
「あの…」
中を伺うような声が聞こえる。
しかし、彼女も部屋が暗いのにはすぐ気づいたのだろう、キョロキョロとしたシルエットだけがあった。
「眠ってるのかな?」
そっと。
入ってくるのが見えた。
ドキッ。
カイトは、びっくりした。
まさか、入ってくるとは思っていなかったのだ。
そういえば、朝はいつも彼女は入ってきて起こしてくれる。
自分が眠っている時に、だ。
慌てて、彼は目を閉じた。
タヌキ寝入りだ。
近づいてくる。
間違いなく、彼女がこのベッドに近づいてくるのが分かった。
心臓が高鳴って、彼を不自然に動かそうとするのを必死でとどめる。
動きが止まる。
すぐそばに彼女の気配がある。
しかし、起こされなかった。
静かさは維持されている。
気配は、そこにあった。声はない。
じっと見られているような気がするばかりだ。
もしかしたら、起こすのをためらっているのだろうか。
夕飯とカイトの睡眠を、天秤に乗せて計っているような気がした。
「あの…いらっしゃいます?」
ドアがノックされて目が覚めた。
本当に、あのまま眠ってしまったらしい。
一体どのくらい寝たのか分からなかった。
ぼーっとする頭を、しかし、まだ上げられなかった。同じ状態で転がったままだ。
部屋は既に暗い。
そんな時、ドアが開いた。
「あの…」
中を伺うような声が聞こえる。
しかし、彼女も部屋が暗いのにはすぐ気づいたのだろう、キョロキョロとしたシルエットだけがあった。
「眠ってるのかな?」
そっと。
入ってくるのが見えた。
ドキッ。
カイトは、びっくりした。
まさか、入ってくるとは思っていなかったのだ。
そういえば、朝はいつも彼女は入ってきて起こしてくれる。
自分が眠っている時に、だ。
慌てて、彼は目を閉じた。
タヌキ寝入りだ。
近づいてくる。
間違いなく、彼女がこのベッドに近づいてくるのが分かった。
心臓が高鳴って、彼を不自然に動かそうとするのを必死でとどめる。
動きが止まる。
すぐそばに彼女の気配がある。
しかし、起こされなかった。
静かさは維持されている。
気配は、そこにあった。声はない。
じっと見られているような気がするばかりだ。
もしかしたら、起こすのをためらっているのだろうか。
夕飯とカイトの睡眠を、天秤に乗せて計っているような気がした。